【大学受験2024】早大、スマートグラスでSNS流出の不正行為

早稲田大学

早稲田大学は2024年5月16日、2024年度一般選抜において不正行為が発生したことを公表した。メガネ型の情報通信端末「スマートグラス」で試験問題を撮影し、試験時間中にSNSを介して外部に流出させたとして、18歳の男子受験生が偽計業務妨害容疑で書類送検された。

早稲田大学によると、2月16日の基幹・創造・先進理工学部一般選抜の試験時間中、入試問題を撮影した画像がインターネットを介して流出した。受験生が、外部の人に解答案の作成を依頼、入試問題と知らないまま解答案が作成され、依頼主の受験生に送付された。

不正行為の発生を受け、早稲田大学はただちに調査を開始し、警察や文部科学省にも通報。調査の結果、不正行為を行った者を特定し、警察の事情聴取により、この受験生が着用したスマートグラスで入試問題を撮影してスマートフォンに転送し、画像をSNSで外部と共有、やりとりしていたことが判明した。

早稲田大学では、今回の不正行為が悪意をもって入念に計画されたもので、学内調査では全容を解明することが困難と判断するとともに、他大学でも同様の不正が行われることを懸念し、警察に告訴状を提出した。

今回、受験生の書類送検を終えたことから、不正行為者への対応について公表に至ったという。今後の捜査や再発防止の妨げになる恐れがあるため、不正行為の詳細、不正行為を察知した経緯、不正行為者の特定方法については明らかにできないと説明している。

不正行為を行った受験生に対しては、受験したすべての入試結果を無効とした。早稲田大学は、今後も不正行為に対しては厳正に対処し、公平・公正な入試環境の維持に努めていくとしている。

奥山直美

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