川崎市教委 地域文化財を限定公開 5月19日 オシ沼剥ぎ取り標本 川崎市多摩区・川崎市麻生区

オシ沼切通し多摩ローム層模式露頭剥ぎ取り標本の一部=市提供

5月10日の「地質の日」を記念して川崎市教育委員会は5月19日(日)、2023年度に第6回市地域文化財として決定した「オシ沼切通し多摩ローム層模式露頭剥ぎ取り標本」の7点のうち1点を、かわさき宙と緑の科学館(多摩区枡形)2階学習室で限定公開する。観覧は無料。午後2時から4時まで。

「露頭」は地層が露出している崖などの場所、「剥ぎ取り標本」は露頭に接着剤を塗り、布やガラス繊維を貼り付けて表面を剝ぎ取った実物資料のこと。

生田緑地周辺は多摩ローム層(約13万〜29万年前)、おし沼砂礫層(約30万年前)など、関東ローム層ほか火山噴出物の重要な研究拠点として研究者や学生に知られている。市によるとこの標本は、かつて生田緑地近く(多摩区東生田3丁目)に存在した「オシ沼切通の露頭」の表面を、1991年の宅地造成時に13枚に分けて剝ぎ取り保管したものという。

市の顕彰制度に基づき、市民の生活や文化、地域風土に根ざして継承されてきた文化財を明らかにし記録する「川崎市地域文化財」に昨年度決定した。同館に保管されており、普段は見学できない。

公開にあたり市教委文化財課は、「何万年という時間の流れが一枚の標本に凝縮されている。この機会にぜひご覧いただきたい」と話している。

剥ぎ取り標本に関する問い合わせは同館【電話】044・922・4731。地域文化財については同課【電話】044・200・3315。

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