軽自動車は年間5万円以上も節約できる!? 普通車とリアルな「維持費」比較…お得になる理由とは

軽自動車と普通車の維持費の差額は? ※画像はイメージです(xiaosan/stock.adobe.com)

維持費が安いといわれる軽自動車。普通車と比較してどれくらい差があるのでしょうか? 軽自動車と普通車の年間維持費の比較、維持費を安く抑えるための節約ポイント、税金以外の軽自動車の強みについて解説します。

軽自動車と普通車の年間維持費を比較

まずは軽自動車と普通車(コンパクトカー)の年間維持費を試算して比べてみましょう。

【軽自動車】燃費:24.7 ㎞/L
・自動車税 10,800円
・自動車重量税(車検時納付金額) 3,300円 (6,600円)
・自賠責保険料(24カ月分の金額) 8,770円 (17,540円)
・任意保険料 50,800円
・車検基本料(車検時納付金額) 20,000円 (40,000円)
・ガソリン代 66,825円
・駐車場代 66,000円
→年間合計 226,495円
→月額平均 約18,875円

【コンパクトカー(普通車)】排気量:1,500㏄/車重:1,100㎏/燃費:22.9㎞/L
・自動車税 34,500円
・自動車重量税(車検時納付金額) 12,300円 (24,600円)
・自賠責保険料(24カ月分の金額) 8,825円 (17,650円)
・任意保険料 60,000円
・車検基本料(車検時納付金額) 30,000円 (60,000円)
・ガソリン代 72,105円
・駐車場代 66,000円
→年間合計 283,730円
→月額平均 約23,644円

※軽自動車は2015年4月以降に初度検査した場合で試算。自動車重量税はエコカー減税対象外の場合。自賠責保険料は2023年4月以降の金額で計算し、24カ月契約の場合を1年分に換算。任意保険料は30歳以上6等級、車両以外は同条件にて算出。ガソリン代は年間走行距離1万キロ、レギュラーガソリン単価165円/Lとして試算。駐車場代は月5,500円で計算

◇ ◇

今回の試算では、軽自動車の年間維持費はコンパクトカーより5万円以上安くなりました。特に差が目立つのは税金関係で、軽自動車の維持費の安さは税金の安さに因るところが大きいと分かります。

(Nakano/stock.adobe.com)

維持費に含まれる項目と節約のポイント

ここからは、自動車の維持費に含まれる項目と節約のポイントを解説します。

▽税金(自動車税・重量税)

自動車税は車の排気量に応じて課される税金で、毎年5月頃に納めます。軽自動車は排気量に関係なく1万800円です。普通車で最も排気量の少ない(1,000㏄以下)車種でも、課税額は2万5,000円。軽自動車の2倍以上の金額です。

自動車重量税はその名の通り、車の車体重量に応じて課税される税金です。新車購入時と車検時に2~3年分をまとめて納税します。普通車の場合は0.5トンごとに税額が上がりますが、軽自動車は重量に関わらず一定です。

普通車で維持費を抑えたいのであれば、排気量が少なく、車重の軽いコンパクトカーを選ぶようにしましょう。

※自動車税、自動車重量税ともに低年式車への重課措置があります。

(眞/stock.adobe.com)

▽保険料(自賠責・任意保険)

自賠責保険は、法律で加入が義務付けられている強制保険です。被害者救援を目的としており、補償は事故による相手の負傷や死亡に限定されます。

自賠責保険料は新車購入時と車検時に支払います。金額は軽自動車と普通車でほとんど変わりません。また自賠責保険料は、どの保険会社で加入しても同じです。

相手車両やモノ、自分自身や自車の補償をしたければ、任意保険に加入しましょう。任意保険料は車種(型式)や運転者の年齢によって金額が変わります。予防安全装備の充実したクルマは、保険料が安くなりやすいです。

__【自賠責保険未加入で運転したら?】
__

自賠責保険に未加入の状態で運転すれば、法律違反です。1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。違反点数も6点が付加され、免許停止処分となります。

▽車検代

車検代には「法定費用」と「車検基本料」があります。法定費用は自賠責保険料や自動車重量税のことであり、どの業者で車検を受けても金額が変わりません。

一方の車検基本料は車の整備などにかかる費用で、業者やサービス内容によって金額が異なります。ディーラーで車検を受けると高めの見積もりとなることが多いですが、その分サービス内容が充実していることも多いです。

各業者に見積もりを取って費用を比べるのはもちろん、それぞれの整備内容もしっかり確認して依頼先を決めましょう。

▽ガソリン代

「軽自動車は燃費が良い」といわれますが、ハイブリッドのコンパクトカーに比べれば、必ずしも有利とはいえません。ディーゼル車も燃費が良く、燃料費の安い軽油を使用するので軽自動車より維持費を抑えやすいです。

軽自動車でもストップ・アンド・ゴーの多い街中などでは、思ったほど燃費が伸びません。ガソリン代を安く抑えたいのであれば、マイルドハイブリッドを搭載したモデルなどを選びましょう。

【燃費を良くするための工夫】

ガソリン代を抑えたければ、運転のしかたも重要です。運転方法によって、燃費はリッターあたり2~3㎞ほど変わります。そのため良い運転をすれば、年間で1万円節約することも可能です(※燃費は23km/Lと20km/L、年間走行距離1万km、レギュラーガソリン単価165円/Lで試算)。

<運転時のポイント>
・急発進・急加速をしない
・アイドリング時間を少なくする
・エンジンブレーキを使う
・車内に無駄な荷物を積まない
・適切な車間距離を保つ
・タイヤの空気圧はこまめにチェック
・エアコンを使いすぎない

(koni film/stock.adobe.com)

▽駐車場代

一般に都心の駐車場代金は高いですが、条件次第で相場より安い駐車場を見つけることは可能です。特に軽自動車の場合、普通車では駐車が難しい狭い場所でも駐車できるので、駐車場の持ち主との交渉次第で安く借りられることもあります。

外出時の駐車場利用では、駐車券サービスを最大限利用しましょう。長時間停めるのであれば、1日最大料金の有無や金額もチェックしておきたいところです。例えば1時間当たりの料金が300円の駐車場に6時間駐車するなら、当日最大1,500円の駐車場に停めた方がお得です。用事が長引いても安心できます。

税金以外の軽自動車の強みは?

軽自動車の強みは、税金以外にも多くあります。

例えば軽自動車は狭いスペースでも駐車できるため、多くのデパートやショッピングモールに軽自動車専用の駐車スペースが用意されています。

また高速道路の料金も、軽自動車は安く設定されています。東名川崎ICから京都南IC(434.4km)に向けて日曜日の朝に出発した場合、普通車は通常料金9,960円(ETC料金7,270円)ですが、軽自動車なら通常料金8,020円(ETC料金5,850円)と2割近く安くなります。

さらに軽自動車を購入・売却する際は、印鑑証明書が不要です。警察署で発行する車庫証明書も不要な地域があります。普通車に比べると購入・売却時の必要書類が少なく、手間がかからないといった良さがあるのです。

◇ ◇

【監修】中古車のガリバーが運営・クルマのギモンにこたえるサイト「norico」編集長・村田創
中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!

◇ ◇

【norico編集部おすすめ記事】

▽ハイブリッド軽自動車のオススメ車種「軽のハイブリッドはなぜ少ない?」
https://221616.com/norico/kei-hybrid/
▽おしゃれな軽自動車10選!レトロ/かっこいい/個性派などのオススメ車種
https://221616.com/norico/oshare-kei/

(まいどなニュース/norico)

© まいどなニュース