【競馬】戸崎圭太騎手の「プラス条件・マイナス条件」 芝重賞では4番人気馬で単勝回収率203%

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オークス、ダービーいずれも想定1番人気馬に騎乗予定

今週末5月19日(日)は、東京競馬場でGⅠオークス(優駿牝馬)が開催される。二冠に挑む桜花賞馬ステレンボッシュに対するは、ライトバックやスウィープフィートといった桜花賞上位組&フローラSを制したアドマイヤベルなどの別路線組といった構図だ。

今回、ステレンボッシュに騎乗を予定しているのが戸崎圭太騎手。来週のダービーでも無敗の皐月賞馬ジャスティンミラノへの騎乗が予定されており、いずれも1番人気の想定だ。そこで今回はキャリア最大の充実期に突入しつつある戸崎圭太騎手の「プラス条件、マイナス条件」をテーマにデータ検証を行う(参照するデータは2019年5月18日~2024年5月12日)。

芝重賞での狙い目は4番人気の馬

この章では戸崎圭太騎手を「プラス条件」について検討していく。

<戸崎圭太騎手の「プラス条件」>
中山芝2000m【19-20-13-81】勝率14.3%/連対率29.3%/複勝率39.1%/単勝回収率115%/複勝回収率104%
芝重賞×4番人気【7-2-4-13】勝率26.9%/連対率34.6%/複勝率50.0%/単勝回収率203%/複勝回収率121%
ダートOP・L×1600m以下【16-2-4-34】勝率28.6%/連対率32.1%/複勝率39.3%/単勝回収率166%/複勝回収率86%
ダート×田中博康厩舎【33-9-8-48】勝率33.7%/連対率42.9%/複勝率51.0%/単勝回収率102%/複勝回収率78%

まずは芝について。競馬場別では阪神と中山コースの回収率が良好。阪神芝は【6-6-9-43】と、母数こそ少ないものの単勝回収率257%。改修が終わる2025年まで覚えておきたい。中山コースは【77-70-59-331】で複勝率38.4%、単複の回収率は80%超えとこちらも安定感抜群。距離が延びるほど信頼度がアップし、特に芝2000mは【19-20-13-81】で単複ともにプラス域に達する。

芝重賞では、人気に注目すると興味深いデータが出てくる。1番人気では【2-5-2-9】で複勝率50.0%と信頼度はまずまずだが、単勝回収率は33%と妙味がない。一方、狙い目なのが2、4番人気だ。2番人気【8-2-1-13】単勝回収率168%、4番人気【7-2-4-13】同203%と妙味たっぷり。芝重賞では断然の人気馬よりも、やや疑われている人気馬に騎乗したタイミングを狙っていきたい。皐月賞のジャスティンミラノも2番人気であり、このパターンに該当していた。断然人気を背負いそうなオークスのステレンボッシュ、ダービーのジャスティンミラノは割り引いて考えたい。

次にダートについて。田中博康調教師とのコンビが好調。成績は【33-9-8-48】で勝率33.7%、単勝回収率102%とプラス域、GⅠ馬レモンポップもかつてはこのコンビだった。先日、ユニコーンSで3着となったミッキーファイトもこれに該当しており、今後追いかける価値のある1頭である。そのほかでは、稲垣幸雄厩舎とのコンビで【6-5-5-8】単勝回収率157%を記録している。

また、ダートのOP・L競走での信頼度が高く【17-4-5-56】で勝率20.7%、単勝回収率120%とここでも100%超え。距離が短い方がベターで、1600m以下に限定すると【16-2-4-34】で勝率28.6%、単勝回収率166%までアップする。

追込は芝もダートも×

次に戸崎圭太騎手の「マイナス条件」についても確認する。

<戸崎圭太騎手の「マイナス条件」>
中京芝【2-0-1-26】勝率6.9%/連対率6.9%/複勝率10.3%/単勝回収率39%/複勝回収率22%
芝×追込【17-11-27-303】勝率4.7%/連対率7.8%/複勝率15.4%/単勝回収率24%/複勝回収率34%
東京ダート×追込【6-14-10-116】勝率4.1%/連対率13.7%/複勝率20.5%/単勝回収率17%/複勝回収率41%
→さらに前走が中山【2-2-1-22】勝率7.4%/連対率14.8%/複勝率18.5%/単勝回収率17%/複勝回収率31%

まずは芝について。競馬場別では中京コースを苦手にしており【2-0-1-26】で勝率6.9%、単勝回収率39%、複勝回収率22%と厳しい数字が並ぶ。福島(【32-21-21-98】勝率18.6%、単勝回収率66%)や新潟(【43-34-19-161】勝率16.7%、単勝回収率78%)といった他のローカルと比べても明らかにパフォーマンスを落としている。夏競馬まで覚えておきたい。

脚質別では、追込が【17-11-27-303】勝率4.7%、単勝回収率24%と妙味がない。逃げ(【23-24-24-46】勝率19.7%、単勝回収率97%)、先行(【128-109-71-292】勝率21.3%、単勝回収率87%)、差し(【87-87-81-493】勝率11.6%、単勝回収率92%)と、他脚質と比べてもその差は歴然。出脚が鈍い馬に騎乗するときは大幅に割り引くべきだ。

続いてダート戦では、東京コースが【109-84-59-448】で勝率15.6%、単勝回収率66%と妙味がやや薄い。加えて、追込馬に騎乗した場合は【6-14-10-116】で複勝率20.5%、複勝回収率41%と厳しい数字が並ぶ。プラスして前走が中山だと【2-2-1-22】で複勝率18.5%、複勝回収率31%とさらに落ちる。追込馬の中山→東京替わりは最後の直線が長くなるため人気しがちだが、戸崎騎手の場合は割り引いて考える必要がある。基本的には先行馬を中心に狙うべきだ。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



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