いきなり愛猫が「シャーッ!」と威嚇!よくある事例、気をつけたいことは|獣医師解説

さっきまで機嫌がよかったのに、いきなり愛猫に「シャーッ!」と威嚇されたり、怒られた経験はありませんか?

【調査】愛猫に「シャーッ!」と怒られたことがある?

引用元:「猫飼いあるある」に関するアンケートvol.13(ねこのきもちWEB MAGAZINE)

ねこのきもちWEB MAGAZINEでは、飼い主さん239名に「愛猫に『シャーッ!』と怒られたり、威嚇されたことがあるかどうか」アンケート調査を行いました。すると、飼い主さんの約半数が該当する結果に。

【体験談】どんなときに愛猫に「シャーッ!」とされたの?

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

では、飼い主さんたちはどのようなときに愛猫に威嚇されたり、怒られてしまったのでしょうか? 飼い主さんたちから寄せられた具体的なエピソードを紹介します。

飼い始めたばかりの頃に

  • 「ブリーダーさんのところから家に連れて帰った夜は、怖くてシャーシャーしてました。今はしないです」
  • 「引き取ったときから数週間は、目が合うだけでも。今はツンがまったくない、デレデレの甘えん坊の巨猫君です」
  • 「実家の庭で野良でいた子猫を保護して,初めて抱っこしたときに『シャーッ』されました。連れて帰りシャワーするときも『シャーッ』されましたが、それ以降はまったくなくなりました」
  • 「成猫の野良猫ちゃんを保護団体から引き取ったので、家に来た当初は全然なれてくれず、顔を見るたび『シャーッ!』と威嚇される日々が1カ月ぐらい続きました。今はナデナデが大好きな甘えん坊で、完全に野生を失っています」

しつこくかまってしまったときに

  • 「しつこくニオイを嗅いだとき」
  • 「しつこく猫吸いしていたら怒られました」
  • 「愛猫がくつろいでいるときに猫吸いしたら、シャーッと一言の猫パンチ……。初めてだったのでショックを受けていたら、その後ゴロゴロと喉を鳴らしてお腹を見せる。一瞬で立ち直りました」

お手入れのときに

  • 「ブラッシングと爪切りのときです……」
  • 「ウチの愛猫はブラッシングが大っ嫌いで! 普段はとても温厚なのに、ブラッシングのたびに豹変して威嚇されます!」
  • 「長毛猫なので、毛玉を見つけてほぐそうと触ったら怒られる」
  • 「嫌なことをされたとき(ブラッシング、爪切り、お風呂の後のドライヤー)」

飼い主さんのうっかりな行動に

  • 「足元にいるのを気づかずにしっぽを踏んでしまったとき、シャーッ!されました。が、焦って心から謝ると、すぐに許してくれてペロペロなめてくれました」
  • 「普段、威嚇されることはないのですが、不意に物を落としてしまったり、何かにぶつかったりして大きな音が出てしまったとき」

動物病院やペットホテルに行ったときに

  • 「病院の診察後にキャリーに入った後で、必ず振り返って私にシャーッと言います。先生には言いませんけど、私には『なんでここに連れて来た!』と怒ってるような気がします」
  • 「体調が悪くて連日のように動物病院に連れて行かなくてはいけないときに、すっかり病院嫌いになってしまい、捕まえるときに『ヴゥ~、シャー!!』と全力で威嚇されました」
  • 「いつもは私に威嚇しないコですが、病院で注射と点滴をしてもらった後、お顔をのぞき込んだらシャー!と言われました。先生にもシャーは言わずに頑張ったので、飼い主への八つ当たりかな」

飼い主さんの帰宅が遅かったり、旅行から帰ってきたときに

  • 「長く留守にしたとき。帰宅時の玄関でのお出迎えで」
  • 「旅行して3日くらい会わないとき、帰ったら忘れたみたいに威嚇されました。すぐに思い出したのか、あ!って感じで近寄ってスリスリしてきましたが」

ごはんやおやつに関わることで

  • 「ごはんのおかわりをあげなかったときに『ダメ!』と言ったら、『シャー!』された」
  • 「食べ終わったおやつの袋をくわえて持って行き、たくさん隠しているので、それを取ろうとしたらシャー!された」
  • 「子猫の頃、かつお節の袋や猫用おやつのパッケージごとくわえて逃げることがよくあり、取り返そうとするとシャーッと怒られた」

猫が飼い主さんに「シャーッ!」とした瞬間はほかにも

  • 「普段と違う服装や化粧をして近付いたとき」
  • 「ほかの猫のニオイでシャーッて言われました」
  • 「遊んでいて興奮しすぎて噛み付いてきたので、『痛い!シャーッ!』て怒ったら、お返しに『シャーッ!』と言われた(笑)」
  • 「しょっちゅうシャーッ!されてます。一番多いのは掃除機を見たときです。あとは、何で?と思うときがほとんどです」
  • 「爪が引っ掛かってたのでとってあげようとして、なかなかとれないとき、シャーッ!ってやられることがあります」

【獣医師解説】愛猫が飼い主さんを威嚇する理由

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

飼い主さんたちからさまざまなエピソードが寄せられましたが、一般的に猫はどのようなシチュエーションで飼い主さんを威嚇したりするのでしょうか。

ねこのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生に聞きました。

岡本先生:
「アンケートの回答にもありましたが、猫が飼い主さんに威嚇をする『よくある事例』として、次のようなものが挙げられるでしょう。

・環境や飼い主さんになれていなくて警戒心から
・嫌がっているのにしつこくしてしまったから
・嫌いなお手入れをしたから
・長時間自宅を空けてしまったから
・ほかの猫のニオイがしたから
・飼い主さんの香りや服装が変わって、『飼い主さん』と認識できなかったから

上記のようなシーンで威嚇しやすい猫というのは、警戒心が強いコに多いかと思います。

猫が威嚇する・怒ることを日頃からしてしまうと、信頼関係が崩れてしまう可能性が考えられます。愛猫のお手入れなど、日常で愛猫の嫌がることを定期的にしなければならないシーンもあるかと思いますが、そのような際は『愛猫の嫌なサインを見逃さない』『嫌いなお手入れはご褒美とセットで短時間に分ける』などの配慮を忘れないようにしましょう」

(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・岡本りさ先生)
ねこのきもちWEB MAGAZINE『「猫飼いあるある」に関するアンケートvol.13』
※アンケートコメントは飼い主さんが感じる愛猫に関するもので、個人の感想です。
※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」にご投稿いただいたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/雨宮カイ

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