午前の日経平均は反落、前日の反動や米株安で

Hiroko Hamada

[東京 17日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比138円18銭安の3万8782円08銭と、反落して取引を終えた。米株安の流れを引き継いだほか、前日の株高の反動で売りが優勢となった。ただ、日銀の国債買い入れオペのオファー額が据え置かれたことで次第に下げ幅を縮小し、底堅さもみられた。

日経平均は前営業日比359円安と軟調にスタート。前日の米株安の流れを受けて主力株の下げが目立ち、前場序盤に一時380円安の3万8539円56銭で安値を付けた。午前10時過ぎに日銀の国債買い入れオペのオファー額が据え置かれたことが伝わると、日経平均は下げ幅を縮小。前場後半にかけては3万8700円台でもみ合う展開となった。

物色動向としては、前日に上昇していた指数寄与度の大きい銘柄の一角が売られ、相場の重しとなった。一方、銀行株や電力株はしっかりだった。

市場では、「日銀の国債買い入れオペのオファー額が据え置かれて、マーケットに安心感が広がった」(フィリップ証券・アナリスト、笹木和弘氏)との見方が聞かれた。ただ、前日の株高の反動や週末前でポジション調整も出やすいため、上値をどんどん追う展開とはならなかったという。

企業決算が一巡して材料が少なくなる中、米金利動向を注視する意見もあった。米利下げ期待によって米10年債利回りが4%割れに向かっていけば、「米ハイテク株高を通じて日本の半導体株などが買われ、日経平均を押し上げる可能性がある」(国内証券・ストラテジスト)という。

TOPIXは0.19%高の2742.66ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は2兆0446億40000万円だった。東証33業種では、銀行、電気・ガス、輸送用機器など21業種が値上がり。精密機器、その他製品、化学工業など12業種は値下がりした。

個別では、東京エレクトロン、信越化学工業などハイテク株の一角が軟調。指数寄与度の大きいファーストリテイリング、ソフトバンクグループは小幅安だった。主力のトヨタ自動車は1%超高、資生堂は2%超高でしっかり。一部調査会社による投資判断引き上げが好感されたヨコオは10%超高と、大幅上昇した。

銀行株がしっかりで、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループがそれぞれ2%超高となった。

プライム市場の騰落数は、値上がり1003銘柄(60%)に対し、値下がりが596銘柄(36%)、変わらずが51銘柄(3%)だった。

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