織田信長、直江兼続ら戦国武将たちの名刀がズラリ『超・日本刀入門 revive―鎌倉時代の名刀に学ぶ』静嘉堂@丸の内にて

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2022年に東京・世田谷区の岡本から都心・丸の内の明治生命館に展覧会活動の拠点を移した静嘉堂文庫美術館。オープン以来、意欲的な展覧会で注目を集めてきた「静嘉堂@丸の内」で、6月22日(土)から8月25日(日)まで、世田谷時代に人気を博した『超・日本刀入門』が開催される。同館の名だたる刀剣コレクションを通じ、刀剣の魅力をわかりやすく紹介する注目の展覧会だ。

武士の魂と呼ばれた日本刀は、およそ1000年の歴史のなかで、武器として用いられ、また美術品として鑑賞されてきた。現代では、刀剣を題材としたゲームの人気もあって国内での刀剣ブームが定着し、また日本の伝統文化として国外からの注目度も高い。とはいえ「やはり刀剣はまだよくわからない」という人々に向けて企画された同展だが、刀剣をよく知る人にも嬉しい展覧会に違いない。なぜなら、「日本刀の黄金時代」と称される鎌倉時代を中心として平安や南北朝の古名刀も含め、同館を代表する刀剣が数多く展示されるからだ。

見どころのひとつは、同館が所蔵する国宝1件、重要文化財8件という9振の刀剣すべてが並ぶこと。大和国最大の刀工集団である手掻派の祖・手掻包永(てがい かねなが)による大和物を代表する名作や、相州伝の始祖・新藤五国光(しんとうご くにみつ)による気品高い太刀など、名刀を通じて刀剣の見方をわかりやすく教えてもらえる贅沢な展示となっている。

国宝 手掻包永《太刀 銘 包永》 倉時代(13世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵

もうひとつの見どころは、織田信長をはじめとする名だたる武将たちの愛刀も登場すること。織田四天王のひとりである滝川一益が主君・信長から賜った刀や、「愛」の前立の兜で知られる武将・直江兼続に秀吉から形見として贈られた刀など、興味深いエピソードを伴う名刀が並ぶのも楽しみだ。

重要文化財 新藤五国光《太刀 銘 国光》 鎌倉時代(13~14世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵

今回はまた、鎌倉時代を中心とする刀剣の特集に合わせ、鎌倉武士たちに支持された慶派仏師の作とされる重要文化財《木造十二神将立像》の7躯が一挙に特別公開される。頭上に十二支の動物を戴く生き生きとした作風や、精緻な截金(きりかね)や彩色など、制作当初の面影をよく残した装飾も見どころである。

なお、同展は出品の全刀剣がスマホで撮影可能。PCブラウザ&スマホアプリゲーム『刀剣乱舞 ONLINE』とのコラボも決定しているとか。「入門」展として、間口を広げる試みがなされているのも嬉しいところだ。

<開催概要>
『超・日本刀入門 revive―鎌倉時代の名刀に学ぶ』

会期:2024年6月22日(土)~8月25日(日) ※会期中一部展示替えあり
会場:静嘉堂@丸の内
時間:10:00~17:00、土曜は18:00、第3水曜は20:00まで(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜(7月15日、8月12日は開館)、7月16日(火)
料金:一般1,500円、大高1,000 円
公式サイト:
https://www.seikado.or.jp

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