TBS、アニメ分野『五等分』映画反動で粗利益は8割減 世界を見据えた高品質、オリジナルIP創出目標に

2023年8月開催「コミックマーケット102」に出展したTBSアニメ

TBSは今月14日に公表した各種決算資料内で、アニメ事業の現況を報告。TBSテレビの事業部門別収益の数値によると、アニメ分野では売上高が前期比8.2億円減の10.71億円、粗利益も7.46億円減の1.82億円となった。

【画像】IPコンテンツの展開重視のTBSテレビ、アニメ事業の計画

減少要因としては、2022年5月に公開した『五等分の花嫁』シリーズ劇場版作品のヒットや、その前年に放送したTVアニメ『プラチナエンド』の配信収入などの反動が大きかった分析している。

TBS系列は、週間あたりのアニメ放送本数が比較的多いことで知られている。そのうちアニメ枠「アニメイズム」(毎週金曜日25時53分~)は在阪局のMBSが20年以上運用を続け、多くの人気作を輩出しており、TBSもその前番組として「スーパーアニメイズム」を2019年に設定。『炎炎ノ消防隊』や『ハイキュー!!』『彼女、お借りします』といった多数の人気作を放送してきたがこの枠だが、4月から「スーパーアニメイズムTURBO」に改名した。

毎週木曜日24時26分へと“お引越し”を行ったことで、毎週木曜日に『WIND BREAKER』『花野井くんと恋の病』『変人のサラダボウル』の3作品が放送されることになったほか、毎週日曜日にも16時30分〜2枠を設定するなど、新たな取り組みも顕著にうかがえる。

そして今回の決算発表にあわせ、TBSは新たに2026年に向けた中期経営計画を公開。アニメ事業においては「バリューチェーンの機能強化」「地上波に拘らないビジネスチャンスの拡大」「劇場用ハイエンド作品、オリジナルIPによる作品などの展開」「メガヒット作品を晶出可能な体制づくり」という、2030年に向けた成長ストーリーを掲げている。数値としては「100企画/年」「劇場化2本/年」「地上波12枠運用/年」を目標の一例に挙げ、昨年実施した松竹との資本業務提携による推進も示唆した。

また、短期的な今後の展開としては、自社アニメブランド「TBSアニメ」より4作品の放送予定と説明。『五等分の花嫁』は直近に“新作アニメの制作”が決定したばかりで熱視線が送られていたほか、青春部活ラブストーリーマンガが原作の『アオのハコ』も控えており、今後の展開に注視される。

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