軽い花粉症のためなんとなく「市販薬」を買い続けています。「病院でもらう方が安いよ!」と言われたのですが、金額はどれくらい違うのでしょうか?

市販薬とは

薬局やドラッグストアなどで販売されている市販薬は、法律によって第1類、第2類、第3類医薬品に区分されています(※1)。

1.第1類医薬品

第1類に区分されている薬は、副作用などにより日常生活に支障を来す程度の健康被害を生じる恐れのある医薬品で、その使用に関して特に注意が必要として厚生労働大臣が指定した薬です。販売の際は薬剤師が指導を行うことが義務付けられています。

2.第2類医薬品

第2類に区分されている薬は、副作用などにより日常生活に支障を来す程度の健康被害を生じる恐れのある医薬品で、厚生労働大臣が指定する薬です(第1類医薬品を除く)。販売の際は薬剤師または登録販売者が指導を行うことが努力義務とされています。

3.第3類医薬品

第3類に区分されている薬は、第1類および第2類以外の一般用医薬品で、日常生活に支障をきたす程度ではないが、身体の変調・不調が起こる恐れがある薬です。販売の際の指導は不要です。

処方薬とは

医療機関などで保険適用の診療に使用されている薬品は、約1万3000品目程度あり、「先発医薬品」と「後発医薬品」に区分され、官報において薬価基準が定められています(※2)。

1.先発医薬品

先発医薬品は、新しい効能や効果を有し、臨床試験などにより、その有効性や安全性が確認され、厚生労働省が承認した医薬品です。

2.後発医薬品

後発医薬品とは、先発医薬品の特許が切れた後に、先発医薬品と成分や規格などが同一で、治療学的に同等であるとして厚生労働省が承認した医薬品で、「ジェネリック医薬品」と呼ばれています。

ジェネリック医薬品は、先発医薬品より安価に設定されており、厚生労働省では医療費抑制の観点からジェネリック医薬品の購入を推奨しています(※4)。

医療費の自己負担割合

処方薬は、病院などで医師の診断を受けた後、処方せんを発行してもらい薬局で購入します。処方薬には病院などで支払う治療費と同様に保険が適用されますので、薬代は年齢や収入に応じて定められた自己負担割合分の代金で済みます(※3)。

《医療費の一部負担(自己負担)割合》

まとめ

花粉症の薬に限らず、同じ価格の市販薬と処方薬を購入する場合、保険が適用される処方薬の方が市販薬より7~9割安く購入することができます。さらに、ジェネリック医薬品を利用することで価格を抑えることもできます。

病院などを受診する際に治療費を支払う必要はありますが、症状に適した薬を安価で購入できますので、市販薬だけではなく処方薬の購入も検討してみることをお勧めします。

出典

(※1)厚生労働省 一般用医薬品のリスク区分
(※2)厚生労働省 薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和6年4月17日適用)
(※3)厚生労働省 医療費の一部負担(自己負担)割合について
(※4)厚生労働省 後発医薬品(ジェネリック医薬品)リーフレット

執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

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