岡田阪神に危惧される“スタメン大シャッフル”の反動 起用「一貫」から一転「何でもアリ」に

原口を迎える岡田監督(C)共同通信社

15日に佐藤輝明が懲罰降格した阪神に再び衝撃が走った。16日の中日戦、岡田監督(66)は昨季全試合で4番起用した大山(29)をスタメンから外したのだ。

今季ここまで打率.210、3本塁打と不振だった主砲に代え、ベテランの原口(32)を「4番一塁」に抜擢すると、右翼の森下(23)、遊撃の木浪(29)もベンチスタートに。「1番右翼」に井上(22)、「5番三塁」に糸原(31)、「8番遊撃」には小幡(23)を起用。これがハマった。

初回、原口が先制打(三塁適時失策)を放つと、続く糸原も左翼適時打で2点を先制。原口は六回にも3ランを放つなど、11安打9得点の大勝で、首位に返り咲いた。

岡田監督は昨年の就任直後に大山を一塁、佐藤輝を三塁、中野を二塁にコンバート。1番の近本を筆頭に打順、守備位置を固定することで個々の役割を明確にし、リーグ優勝&日本一に導いた。矢野前監督がポジションと打順をコロコロ変えたことを反面教師にした側面もあった。

動かない指揮官が大胆なタクトを振って勝利に導いたものの、その反動を危惧する向きもある。

「チーム内に競争力が生まれ、岡田監督も柔軟な起用をしやすくなった一方、『4番大山』の聖域が崩れたことで、今後の選手起用はいわば、『なんでもアリ』になった。選手が岡田監督の“強権”に怯え、結果を求めて過度な重圧を背負わなければいいですが……」とは、放送関係者だ。

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