世界のサンゴ礁、6割超が白化の恐れ=米海洋大気局

Gloria Dickie

[16日 ロイター] - 米海洋大気局(NOAA)は16日、過去1年間に世界のサンゴ礁の6割超が白化現象を起こすレベルの海水温上昇に見舞われたと発表した。

NOAAは先月、南米ペルー沖の海面水温が高くなるエルニーニョ現象で海水温が記録的な高さとなったため、サンゴ礁で過去4回目となる大規模な白化現象が起きていると発表した。

今回公表された報告書によると、世界のサンゴ礁の60.5%程度が影響を受け、この比率はなお上昇している。

NOAAのデレク・マンゼロ氏は会見で「世界のサンゴ礁の状態に強い懸念を抱いている。今も(海水温は)極めて極端な状況になっている」と述べた。

世界中でサンゴ礁が白化するほどの海水温上昇が起きたのは過去3回。それぞれの期間と影響を受けたサンゴ礁の割合は1998年が20%、2010年が35%、2014─17年が56.1%だった。

マンゼロ氏によると、深刻さの度合いとしつこさは14─17年が過去最悪だが、4回目となる23─24年がすぐに記録を塗り替えそうだという。

研究者によると、少なくとも62の国と地域で大規模な白化現象が発生しており、最近ではインドとスリランカでも報告された。NOAAによると特に海水温上昇による被害が大きいのは大西洋のサンゴ礁で、99.7%が過去1年間に白化レベルの海水温上昇に襲われた。

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