米制裁は「たわ言」、ロシアの大物実業家が批判

John O'Donnell

[フランクフルト 16日 ロイター] - ロシアの大物実業家オレグ・デリパスカ氏は、米財務省が制裁逃れと株式の凍結解除の企てに関与したとして一連の企業に制裁を科したことについて「たわ言」だと批判した。

同氏はロイターの取材に対し代理人を通じ「このようなたわ言に時間を費やす価値はない」とし「欧州の恐ろしい戦争で毎年何十万人もの命が奪われている一方で、政治家は汚い駆け引きを続けている。戦争を挑発する政治家の利益のためではなく、平和を確立するために全力を尽くすべきだと私は固く信じている」と述べた。

米財務省は14日、デリパスカ氏が支配する株式16億ドルの所有権を偽装するため、一連のロシア企業が利用されているとして、ロシア企業に制裁を科したと発表した。

オーストリアの銀行大手ライファイゼン・バンク・インターナショナル(RBI)がこの株式を買い取る計画だったが、米国の圧力を受け買い取りを中止した。

米財務省は「不透明で複雑な売却とみられる取引」を通じて株式の凍結を解除するのは「制裁逃れの企て」だと主張している。

デリパスカ氏はロシアのウクライナ侵攻後、プーチン大統領とつながりがあるとして英政府の制裁を受けているが、同氏は制裁が虚偽の情報に基づくものであり、法と正義の基本原則を踏みにじっているとして法的な異議申し立てを行っている。

同氏は米国の制裁対象にもなっているが、「(こうした制裁は)根拠がなく、荒唐無稽で不条理だ」だと主張している。

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