3ヵ月で約1万7,000人の高齢者が自宅で死亡…増加する高齢者の孤独死・孤立死を防ぐためには

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。「FLAG NEWS」のコーナーでは、独居高齢者の孤独死・孤立死について取り上げました。

◆1人暮らし高齢者の孤独死・孤立死が年間6万8,000人

政府が孤独死・孤立死の実態把握を進めるなか、今年1月~3月に自宅で死亡した1人暮らしの人のうち、65歳以上の高齢者は、全体の約8割となる1万7,034人いることが警察庁の調査で確認。これにより自宅で死亡した65歳以上の1人暮らしの高齢者が年間6万8,000人にのぼると推計されることがわかりました。警察庁は今後も集計を続ける考えで、政府は孤独・孤立対策の議論に活用します。

この現状に対し、関西大学特任教授の深澤真紀さんは、「いろいろな生き方をされている方が多いなかで、問題は高齢者に対して私たちがどうフォローしていくのか」と指摘します。

深澤さんは、近年、高齢者を見守るさまざまな技術が開発されていることを挙げ、「そうしたものと行政、民間、あとは自治体(のバックアップが必須)」と話す傍ら、「日本は自治体が弱くなってきている。災害対応なども含め、自治体は(地域内に)どういう人が住んでいるのか把握することが大事」と注意を促します。

かつて、日本は近所の人と協力して暮らす地域コミュニティが成り立っていましたが、それも今では大きく変化。microverse株式会社 CEOの渋谷啓太さんも、「山口で生活していた子ども時代は隣の家の人に醤油を借りるとかそうした文化がまだあったが、東京に引っ越してきて隣人との関係も希薄になった。時代背景的にもプライバシーの問題やコミュニティの安全性、合意をどう取るとかという難しさは感じる」と実感を語ります。

◆いまやお祭りもできない? 子どもが公園で遊べない?

一方、落語家の林家三平さんは増え続ける高齢者に対し、「みんなで見合っていくことが大切」と訴えしつつ、東京の下町でも地域コミュニティが崩壊しつつあることを吐露。「例えば、お祭りで太鼓を叩いただけで『うるさい』という苦情がある。ちょっと不思議なフェーズに入ってきている」と語ると、深澤さんからも「今は盆踊りをイヤホンしながらやる自治体もある」との声が。

さらには、キャスターの豊崎由里絵も「よく行く公園は、子どもがいっぱい遊んでいるんだけど、そこに"お静かに”というボードを持った男性がずっといるし、音が鳴る遊具も使用禁止になっていて、ちょっとつらいなと思う」と社会の変化について言及する場面もありました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

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