うるま市の高校に通いながらEXILEのツアーに 「PSYCHIC FEVER」小波津志 デビューまでの道のり聞いてみました【動画あり】

 「EXILE」や「三代目 J Soul Brothers」などが所属するLDHが運営している全国各地のダンススクール「EXPG」から集められた7人組ダンスボーカルグループ「PSYCHIC FEVER(サイキックフィーバー)」のメインボーカル、小波津志(こころ)=うるま市出身。タイなどの東南アジアを中心に活動する中で「(米音楽ヒットチャートの)ビルボードで1位を取りたい」と意気込む。(DX推進部・屋良朝輝)

 物心がつく頃からEXILEやマイケル・ジャクソンのダンスに憧れ、小学1年から地元のダンススクールに通い始めた。中学1年でLDHが主催する「GLOBAL JAPAN CHALLENGE」を受験し、最終審査まで残った。合格には至らなかったが、周囲からの勧めもあり、EXPGスタジオ沖縄校へ入学した。

 うるま市からほぼ毎日、当時あった那覇市のスタジオへ通う日々。ダンスバトルで勝てなくなる時期もあり、「辞めようか」と考えることもあったが、親をはじめ周りのサポートと、「やっぱりダンスも音楽も大好き」という思いで続けられた。うるま市内の高校に通いながら、EXILEなど事務所の先輩たちのツアーにも参加した。「単位が足りなくなりそうになると先生たちが補習をしてくれた」。多くの人に支えられ、高校卒業後の2019年に上京した。

 同年に開かれた「BATTLE OF TOKYO~ENTER THE Jr.EXILE」で「PSYCHIC FEVER」としてお披露目された。夏には「@居酒屋えぐざいる」で2カ月で100公演を行い、多い日には1日4公演をこなした。「とにかくきつくて、食べても食べても痩せていった。それでも、やり遂げる頃にはファンの皆さんが応援してくれていた」。同年12月には全国47都道府県を巡る「武者修行」ライブを完走した。

 下積みを経て、20年にオリジナル曲「Spread The Wings」を発表。デビューが近づき始める矢先、コロナ禍で一時、全ての動きが止まった。「気持ちが折れそうになった。武者修行を終えて、次の楽曲のレコーディングまで終えていたが、コロナ禍で全て止まった。どうしたらいいんだろうという不安は大きかった」

 ただ、そこから自分磨き、グループとしてのパワーアップに力を注いだ。「悔しかった期間があったからこそ、爆発力が身に付いた。夢への思いが強くなった」

 22年7月にデビュー。半年間、活動拠点をタイに移し、さらなる「武者修行」をスタートした。「当初は反応も良くなかったが、舞台を重ねることでお客さんの反応も良くなった。音楽とダンスの情熱は国境を越えて伝わった」。現地の歌手とのタイアップやフェス出演をしながら、インドネシアやベトナムなどの東南アジアを巡って着実に実績を重ねていった。

 今年4月にセカンドアルバム「PSYCHIC FILE 2」を発売。今月からは日本を皮切りにアジアツアーをスタートする。「今の経験は当たり前じゃないと思う。これからも、日本の皆さん、世界中の人に音楽を届けていきたい。いつか沖縄でもライブをしたい」と活躍を誓った。

デビューまでの道のりや今後の目標について語るサイキックフィーバーの小波津志=3月26日、沖縄タイムス社(小宮健撮影)

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