埼玉でも課題 県内公立学校で教員87人不足 配置や授業時間を工夫し対応 「教師塾」で現場を知り、魅力を実感 なりたい大学生を増やす

県内公立学校、教員不足87人 「教師塾」で確保へ

 全国的に教員不足が課題となっているが、埼玉県内の公立学校では、本年度の始業日時点で小学校45人、中学校12人、高校7人、特別支援学校23人がそれぞれ不足していることが16日の県教育長定例会見で明らかになった。

 いずれも校内で教員の配置や授業時間を工夫し、未履修とならないよう対応を取っているといい、日吉亨教育長は「教師の担い手不足は埼玉県も例外ではない。教員になりたいと思う大学生を増やす取り組みを進めていく」と述べた。

 全国的な教員の志願者減少を背景に、県教育委員会では大学生を対象に学校現場で仕事体験をしてもらうことで教員の魅力を伝える「彩の国かがやき教師塾」の実施などを通じて、教員確保に取り組んでいる。

 かがやき教師塾は2022年度に開始し、大学2年生と短大1年生を対象にしたベーシックコースと大学3年生を対象にしたマスターコースがある。ベーシックコースは5月末まで受講者を募集中で、本年度からは特別支援学校での体験を追加。応募要件も従来の「県と連携している大学の学生」から「教職課程のある全ての大学の学生」に緩和した。

 ベーシックコースは8月から来年6月中に60~80時間のボランティア体験を行うことで修了する。体験では学習指導や担任、学校行事の補助を行い、子どもたちと接しながら、教員の魅力を実感することができる。

 日吉教育長は「体験したことを(教員)採用試験の願書に書いていただいたり、面接で語っていただくことで、より意欲を図れることになる」と語り、応募を呼びかけた。

 ベーシックコースの募集要項は県教委ホームページから確認できる。

 問い合わせは、小中学校人事課(電話048.830.6937)へ。

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