中国・陝西省西安市の没入体験型施設、「長安十二時辰」テーマ街区を訪ねて

中国・陝西省西安市の没入体験型施設、「長安十二時辰」テーマ街区を訪ねて

 【新華社西安5月17日】中国陝西省西安市のエンタメ施設「長安十二時辰」(長安の24時間)テーマ街区は、唐代の市井生活を疑似体験できる没入体験型施設で、唐代の各種グルメや手工芸品、没入型ショーなど、さまざまな業態の店が軒を連ねている。著名建築「花萼相輝楼(かがくそうきろう)」や都市区画「長安里坊(ちょうあんりぼう)」など唐代の要素を再現しており、中国のネットユーザーからは「長安城」のミニチュア版と呼ばれている。

 街区にはさまざまな店や遊宴台、宿場など、特徴的な建物が整然と並び、観光客は千年以上前の長安にタイムスリップしたかのように感じる。

 荷花酥(ハスの花を造形したパイ)、貴妃酥(西安名物のパイの一種)など、よりすぐりの材料で、精巧に作られた唐代の長安を代表する美食や小吃(シャオチー・軽食)が150種類余りあり、胡姫酒肆(こきしゅし)エリアには、胡餅(ゴマをまぶしクルミを挟む焼餅)など西域の食べ物もある。

 200人以上の演者が常駐しており、有名詩人や長安の庶民などに扮して観光客と交流。抖空竹(唐ごま回し)、雑技、武術ショー、古典舞踊など、毎日百回以上の出し物も行われており、中でも一番人気は楊貴妃にちなむ「霓裳羽衣(げいしょううい)の舞」となっている。

 出し物を演じる「90後(1990年代)」生まれの許倩飛(きょ・せんひ)さんは、「神秘的で幻想的な雰囲気を演出するため、3階建ての閣楼舞台で実景ショーを行っている」と説明。「自身の演技を通じて、観光客が唐の時代を没入体験し、大唐長安の栄華と風格を感じることができ、とてもうれしい」と語った。(記者/孫正好、蔡馨逸、閆馨禾)

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