中国の研究者、長江上流で新種の魚「貴陽金線䰾」発見

中国の研究者、長江上流で新種の魚「貴陽金線䰾」発見

 【新華社貴陽5月17日】中国長江上流にある烏江流域の鍾乳洞の地下河川でこのほど、研究者がフィールドワークを行った際に魚類の新種を発見し、その発見地から「貴陽金線䰾」(学名Sinocyclocheilus guiyang)と命名した。この発見は14日、国際的な学術誌「Zoosystematics and Evolutio」で発表された。

 新種の主要研究メンバーの1人である浙江省森林資源監測センター生物多様性監測所の周佳俊(しゅう・かしゅん)エンジニアによると、「貴陽金線䰾」は盲目の魚の一種で、目がすでに眼球構造を持たない点へと退化しているか、皮膚下に埋没して消失しているほか、体表の色素が消失して全体的にピンク色を呈し、ひれは透明になっている。また、うろこも退化しており、一部が皮膚下に埋没している。形態学や分子系統生物学に基づく研究結果から、金線䰾(シノシクロケイルス)属の他の種と明らかに異なることが示されたという。

 金線䰾属はコイ目コイ科の中国固有属で、中国の洞窟魚の中で最も多様性を持つ分類群となっている。

 「貴陽金線䰾」の発見者である程広源(てい・こうげん)氏は、新種の個体数の記録はわずか25匹と非常に少なく、ここ数年のモニタリングにより個体数が減少していることが判明したと明らかにした。(記者/李黔渝)

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