修学旅行の貸切バスがドライバー不足で手配できず…1週間前に予定変更、旅行代理店が謝罪

待ちに待った修学旅行の予定が直前になって急きょ変更に(写真はイメージ)【写真:写真AC】

ドライバー不足の影響により1週間後に控えた修学旅行の予定を急きょ変更

今年4月、働き方改革関連法に基づきドライバーの労働時間基準が改正、長時間労働の是正が期待される一方で、いわゆる「2024年問題」としてドライバーの人手不足により物流などへの影響が懸念されている。そんななか、東京・町田市のある公立中学校の修学旅行が、ドライバー不足の影響で予定変更を余儀なくされたという内容の投稿がネット上で拡散、物議を呼んでいる。修学旅行に参加する生徒の保護者という投稿者に話を聞いた。

「中学校の修学旅行がピンチ。貸切バスが手配できなかったんだと。来週なのに…理由は、バスの運転手さんが確保できなかったこと。2024年問題、こういうところに出るのか」

今月16日に拡散した投稿には、大手旅行代理店の近畿日本ツーリストから学校、保護者宛てに配布された「修学旅行の貸切バスの確保の不履行について」という文書が添えられている。

13日付けの文書では、「今月実施される修学旅行にて、既に予約済みの1日目に利用するバス会社より、昨今のドライバー不足の影響により、貸切バスでの運行のお断りの連絡が先日ございました。すべてのバス会社に急遽代替のバス会社を探しておりましたが直近という事と、どのバス会社もドライバー不足と国土交通省からの通達による長時間労働の見直しの影響によりお断りされ、手配をする事ができませんでした」と経緯を説明。「発生した差額に関しましては、修学旅行後に返金いたします」としている。

投稿には「人手不足で修学旅行できんとか…」「修学旅行を楽しみにしてる子供がいちばんの被害者 代替バスの手配に全力をあげてほしい」「1週間前にキャンセルって辛すぎる それなりに前から予約してあったんでしょうに 差額を返却すれば良いってものでは無さそうですよね」「手配は無理なのは仕方ないが、損害賠償事案では」といった声が相次いでいる。

投稿を行った保護者は「日程は来週末、修学旅行先は京都・奈良方面です。確保できなかったという貸切バスは1日目に京都市内の観光で利用するもので、現地までは予定通り新幹線移動、代替案として学校側からは近鉄急行などの公共交通機関で移動する案が提示されています」と事情を説明。「今回の問題が2024年問題に起因するのであれば、原因はドライバーの働き方を軽視してきた私たちにもあるのかなと。そのツケが子どもたちに回ってきてしまったのであれば残念です」と話している。

近畿日本ツーリストの広報はENCOUNTの取材に「拡散した文書の内容は事実となります。修学旅行の日程は公共交通機関などの代替手段を利用して完遂する予定です。予定が急きょ変更となってしまったことにつきましては深くお詫び申し上げます」としている。ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム

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