井上尚弥、サウジラビアでドリームマッチ? 相手は3階級上ライト級王者...対戦実現にサウジ王族が自信

プロボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、31)がサウジアラビアでドリームマッチ?

サウジアラビアの王族であり娯楽庁長官を務めるトゥルキ・アラルシク氏(42)が2024年5月15日に米格闘技専門メディア「MMA Hour」(WEB版)のインタビューに応じ、サウジアラビアで井上のドリームマッチ案を明かした。

「デービスが賢くなれば井上尚弥戦」

アラルシク氏が提案したのは、WBA世界ライト級王者ジャーボンテイ・デービス(米国、29)との試合だ。

デービスはスーパーフェザー級(58.9キロ)、ライト級(61.2キロ)、スーパーライト級(63.5キロ)と、世界3階級を制覇した強豪。現在はライト級王座を保持しており、戦績は13年2月のプロデビュー以来無傷の29連勝(27KO)を誇る。

サウジアラビアで数多くの格闘技イベントを手掛けるアラルシク氏は、ボクシング界のレジェンドになりつつある井上に興味津々の様子で、こう語った。

「デービスが賢くなれば井上尚弥戦。これは私が好むドリームファイトだ。もし彼らが適正な体重を作り、正しい提案をしてくれれば実現できる」

アラルシク氏が「適正な体重」との条件を示したように、両者の対戦に大きく立ちはだかるのが体重の壁だ。井上は現在スーパーバンタム級(55.3キロ)の王座を保持しており、ライト級のデービスとの体重差は約6キロもある。

「井上の試合の99パーセントは日本で行われている」

対戦を実現させるならば、井上が体重を上げ、デービスが体重を落としての契約体重での試合が現実的となるだろう。

アラルシク氏は、ドリームマッチ実現に向けもうひとつの「条件」を提示した。それは日本開催でなく、サウジアラビア、米国、英国などでの開催だ。

「井上は偉大なファイターだ。日本国内だけで戦わせるのではなく、世界に見てもらおう。サウジアラビアでも、アメリカでも、ロンドンでも。彼は素晴らしいファイターだ。数年で辞めてしまうのは残念だし、彼の試合の99パーセントは日本で行われている」

5月6日に東京ドームで世界2階級制覇のルイス・ネリ(メキシコ、29)を6回TKOで下し4団体の王座防衛に成功した井上。米国の歴史と権威あるボクシング専門誌「ザ・リング」のパウンド・フォー・パウンド(PFP=階級の垣根を超えた最強ランキング)で1位に返り咲き、世界最強の称号が与えられた。一方のデービスはPFP8位にランクイン。

スポーツ紙の報道によると、井上の次戦は9月に計画され、対戦相手はIBF・WBOスーパーバンタム級1位サム・グッドマン(オーストラリア、25)と、元IBF世界スーパーバンタム級王者テレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド、37)が候補に挙がっている。

サウジアラビアの王族アラルシク氏が描くドリームマッチ。体重などの問題から実現の可能性は高くはないが、もし実現すればボクシング史に残るようなドリームマッチになるだろう。

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