午後3時のドルは上昇155円後半、日銀国債買入額据え置きで一時円安

Mariko Sakaguchi

[東京 17日 ロイター] - 午後3時のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(155.38/40円)から上昇し、155円後半で推移している。米金利上昇や日銀の国債買い入れオペのオファー額の据え置きを背景としたドル買い/円売りが一巡し、週末を控えた持ち高調整主体の値動きとなった。

東京時間は155円前半で取引を開始。仲値にかけては小動きにとどまり、「実需の動きは静かだった」(国内銀)という。「前日にドルが153円台まで下落したこともあり、155円台で慌てて買う向きは少ない」(同)との声が聞かれた。

その後、日銀が午前に通告した中長期・超長期債対象の国債買い入れオペのオファー額が据え置かれ、ドルはじり高となった。

りそなホールディングスのシニアストラテジスト、井口慶一氏は「前回に続いてオペが減額されれば、何らかのメッセージ性があると市場は受け止め6月会合での日銀国債買い入れの減額開始への警戒感が出ていた」と指摘。ただ、今回オファー額が据え置かれ「その思惑がいったん後退した」ことから、円安方向に振れたとみる。

足元のドルは155円後半と、前日の低調な米経済指標を受けたドルの急落分を取り戻す格好となっている。米連邦準備理事会(FRB)高官が利下げに慎重な姿勢を示すなど発言トーンに変化がみられないことや「前日にドルが売られ過ぎた反動も出ている」(国内金融機関アナリスト)との声が出ている。

ただ、米景況感の悪化やインフレが落ち着いてきていることから年内の利下げ観測は維持されるとみられ、ドルの上値の重さは意識されすい。一方で、ドルは下落すれば押し目買いが入り、下値も固い。

あおぞら銀行のチーフマーケットストラテジスト、諸我晃氏は「(ドルの)コアレンジは153円半ばから156円半ばを中心とした推移が続く」との見方を示した。

今晩予定されているウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事の講演や19日に予定されているパウエル米FRB議長の講演で発言内容に市場の関心が集まる。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 155.79/155.80 1.0861/1.0862 169.21/169.22

午前9時現在 155.40/155.41 1.0866/1.0870 168.87/168.91

NY午後5時 155.37/155.40 1.0866/1.0868 168.87/168.89

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