15年ぶりホールインワン 52歳の横田真一「体は干からびてるけど粘り気を…」

ツアーで15年ぶりのホールインワン(撮影/加藤裕一)

◇国内男子◇関西オープン 2日目(17日)◇名神八日市カントリー倶楽部(滋賀)◇6869yd(パー70)

同伴競技者とギャラリーがどっと沸いた。前半13番、実測163ydのパー3。横田真一が7番アイアンで軽いフェードをかけたショットは「完璧」な手応えを残し、手前からカップに吸い込まれた。

視力0.7ぐらいの52歳にカップインは見えなかったが、ふと気づいた。「あれ?確か…」。振り向くと「ホールインワン賞 300万円」の大看板。「300…うわっ!」と思ったが「決勝2日 該当者全員」の但し書きがあった。

それでも、2009年「三菱ダイヤモンドカップ」最終ラウンド以来15年ぶり5度目のエースはうれしい。「今朝の練習場で、7番アイアンが150ydの旗を直撃したんですよね」。まるで“予兆”があったかのように、話を膨らますのが、登録者19万8000人を誇るYouTuberの実力だ。

賞金シードを失った2016年から続けたQT出場を、昨年初めて見送った。「もう通ったとて…。今のツアーがすごすぎて、出たらビビってばかりだったし」。ところが、主催者推薦の今季ツアー初戦で、前日16日に「67」で1打差4位発進し、この日も1イーグル2バーディ、2ボギーの「68」で通算5アンダーまでスコアを伸ばした。

量販店で勝った2本のユーティリティ(撮影/加藤裕一)

「体は干からびてるけど、粘り気のあるゴルフで食らいついていきたい」と笑った。粘り気成分は、道具に頼る。「スペックダウンする潔さ。それが今回のスコアになってるんじゃないですか」。そもそもが道具好き。YouTube企画では中古クラブ量販店でのクラブ打ち比べや、シャフトも忖度抜きに試している。

2週間前には大手メーカー4社のボールを飛び系、スピン系にわけて10種類打ち比べ、現在使っているのはタイトリストのプロV1(2019年)。バッグに入れる3、4番の「オノフ ユーティリティウィングス」は、シャフトこそ差し替えたが「2、3万円」(横田)で自腹買いしたものだ。

レギュラーツアーの予選通過は22年9月「パナソニックオープン」以来1年半ぶり。トップ10での折り返しとなると、15年「カシオワールドオープン」の9位ターン以来9ぶり。さらに、ツアー3勝目となれば10年「キヤノンオープン」以来「13年222日ぶり」で、長谷川勝治の「13年82日」(1980年静岡オープン-93年よみうりサッポロ)を上回るツアー最長ブランクV記録になる。

「こんなに良かったら、ねえ」。冗談めかしながら“レギュラーツアー卒業”の思いが揺らぐ快進撃だ。(滋賀県東近江市/加藤裕一)

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