溝口周辺エリア 脱炭素へ、また一歩 スーパーに「再エネ電力」 川崎市高津区

モデル簡略図(川崎市提供)

溝口などにある都市型小型食品スーパー「まいばすけっと」が、実質再生可能エネルギー電力の導入を開始した。川崎市の脱炭素社会の実現に向けた取り組み「脱炭素アクションみぞのくち」の一環。新たな電力供給モデルとしても注目されている。

川崎市が推し進めている「脱炭素戦略モデル地区」となっている溝口エリア。市は、2021年に「脱炭素アクションみぞのくち推進会議」という団体を創設し、参画する市内の企業や団体と連携。環境を良くしていこうと様々な企画を手掛けている。

界隈24店に導入

今月8日に発表された取り組みは、同会議の会員となっている「まいばすけっと株式会社」(本部・横浜市)と「出光興産株式会社」(本社・東京都千代田区)が連携。高津区をはじめ宮前区、中原区にあるスーパー「まいばすけっと」の店舗に実質再生可能エネルギー電力を供給する。実施に際し出光興産は、まいばすけっと専用の小型太陽光発電所を新設。同所から電気を生むと同時に、二酸化炭素を排出させないなどといった「環境価値」も供給していく。

一方、全国的に店舗の脱炭素化を検討しているまいばすけっと株式会社は、脱炭素モデル地区として知られる高津区(溝口周辺)を「最初の脱炭素エリア」と定め、この手法を用いた実質再エネ電力の導入に注力。「今後、店舗の脱炭素化をさらに加速していければ」と話している。

福田市長も広がりに期待

実質再エネ電力の供給は4月下旬から始まっており、3区24店舗に順次導入される見込み。この取り組みによって、1店舗あたりの二酸化炭素排出量の削減効果は年間約3万9000kgにも及ぶことが期待されている。

新しい電力供給モデルとしても注目を集める今回の取り組みに、出光興産の関係者は「脱炭素モデル地区にある『まいばすけっと』に再生可能エネルギーの仕組みを生み出すことができた。今後も地域と共に脱炭素社会を目指していきたい」などとコメント。福田紀彦市長も「脱炭素先行地域にふさわしい自主的な取り組みとして大変喜ばしい」とした上で、多くの市民の環境に配慮した行動につながること、併せて事業者にも再エネ導入の動きが広がることなどに期待を寄せている。

供給店舗の一つ「溝口3丁目店」

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