早生のブルーベリー実る 獺郷・加藤園芸 藤沢市

実ったブルーベリーを手にする加藤さん

獺郷の加藤園芸では、ブルーベリーの出荷が間もなく最盛期を迎える。ブルーベリーは通常、6月上旬から8月までに収穫のピークを迎えるが、老朽化したガラス温室などを活用し早期収穫に成功した。

栽培を行う加藤松男さん(41)は、花壇苗の生産を70年以上営む同園の3代目。自身も花を育てて20年になる。加藤さんは、築50年になるガラス温室の利用方法に頭を悩ませていた。

同温室は梁が太く天井も低く、換気の際には窓枠ごと外す必要がある。「繊細で発育の早い花を育てるには適さないが、解体するにも費用がかかる」。活用手段として、ブルーベリーなど果実の栽培に興味を抱いた。「当初はブルーベリーがどう成るのかも知らなかった」と加藤さん。2021年から栽培方法の研究を開始した。

温室内では、直射日光などを利用し、冬場の昼間でも約20度の温度を保つことができる。また、受粉用のマルハナバチの活動期間を調節し、早期の生育を促した。「加温機がないため、マルハナバチが過ごしやすい環境を整えるべく巣に発泡スチロールなどを活用した」。他にもベビーカーを収穫用荷台にするなど、古いものの再利用を心がけた。

試行錯誤を重ね、4月上旬にはハイブッシュ系の実が着き、出荷に成功した。「今後はより専門の技術を身に付け、生育を安定させる。藤沢北部の農業を盛り上げる一助になれば」と語った。

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