「厚顔無恥もここまでくるとホラー」自民党員3万人減「1億3000万円消失」でも…岸田首相「頑張って」の空念仏

写真:つのだよしお/アフロ

5月16日、岸田文雄首相は、自民党の金子恭之組織運動本部長と面会し、2023年の党員数が3万人以上減少したことを踏まえ、「党員の獲得に向けて、信頼回復をしながら頑張ってほしい」と指示した。金子氏が官邸での面会後、記者団に明かした。

党が3月に公表した2023年末の党員数は109万1075人で、前年に比べて3万3688人も減少。金子氏は、党員減少の理由として、「派閥の政治資金パーティーをめぐる(裏金)問題が表面化し、国民、党員の不信を招いたこと」などをあげていた。

「自民党に入党し、2年継続して党費を納めると、総裁選で投票することができます。その党費は、一般党員で年4000円、家族党員で年2000円、特別党員で年2万円以上となっています。

仮に、減少した3万3000人全員が一般党員だとすると、単純計算で1億3000万円超が消失した計算になります。自民党は党員120万人の獲得を目標に掲げていますが、達成は厳しそうです」(政治担当記者)

4月28日に投開票された衆院3補選のうち、唯一の与野党対決となった島根1区では、自民支持層の約2割が立憲民主党の候補に投票したことを時事通信が報じている。派閥裏金問題による支持者離れは「保守王国」とされる島根にも及び、補選全敗につながった。

また、NHKが5月13日に報じた世論調査によると、政治とカネの問題への対応で岸田首相が指導力を「発揮していない」と回答したのが74%。自民支持層でも58%と半数を超えており、自民支持層の間でも、岸田首相の裏金事件への対応に満足していない様子がみてとれる。

「岸田首相が裏金事件で自身の処分を見送ったことも影響しているはずです。首相は処分見送りを受け、『再発防止の取り組みをしっかりと先頭を切って進めることで責任を明らかにしたい』と釈明しました。

ところが、自民党がまとめた政治資金規制法改正案は、パーティー券の購入者の公開基準を『10万円超』とし、『政策活動費』の報告書への記載は大まかな項目だけという、自民支持層でさえ納得しそうもない内容です」(同)

それでも岸田首相は、17日の参院本会議で、自民党がまとめた改正案についてこう胸を張った。

「自民党においては、政治とカネの問題に対する抜本的解決策として、私の指示のもと、政治家の責任の強化、外部監査の強化、オンライン化による透明性の向上、政策活動費の透明性向上、政治団体間の資金のやりとりの適正化、政治資金パーティー券の購入者の公開基準の引き下げ、政治資金パーティー券の販売における銀行振込の徹底など、幅広い点において改正を提示したところだ。

こうした方向性については、与党間で合意ができており、制度面で実効性のある再発防止策を提示したものであると考えている。今後、各党と真摯に協議をおこない、政治の信頼回復に取り組んでいく」

3万人以上も党員を減らしながら、岸田首相が「党員の獲得に向けて、信頼回復をしながら頑張ってほしい」と空念仏のような指示をしたことに、「X」では呆れ声が多くあがっている。

《裏金問題で自民党総裁である自らの処分を無しとしておきながら、よく言えたもんだ》

《一番自民党の信頼を損ねている人がよく言うわ》

《信頼を失墜させてる張本人が信頼回復を指示するとか無自覚・無責任な厚顔無恥もここまでくるとホラーでしかない》

信頼回復につとめるどころか、ますます「鈍感力」を発揮する岸田首相。自身が誇った「聞く力」はどこに行ってしまったのか。

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