カメムシ大量発生 果物への被害懸念 栃木県は4年ぶりに注意報

とちぎテレビ

全国各地でカメムシが大量に発生していて県内でも例年の10倍以上の数が確認されています。これから旬を迎える果物への被害が心配され、栃木県は対策の徹底など注意を呼びかけています。

まだ若いモモの実にくっつくチャバネアオカメムシです。国の有害動物に指定されているこの虫は、リンゴやナシ、モモなどの果物につくと形を悪くさせ商品価値を落としてしまうやっかいものです。

宇都宮市にある県農業総合研究センターに設置されているトラップの中にはかなりの数のカメムシが入っていました。県内では、温かくなり始めた4月末から5月にかけて、このチャバネアオカメムシの動きが活発化し、センターの職員がライトに集まったチャバネアオカメムシを捕まえてみた所、ものの数分でこの通り。調査した県内6つの地点のうち4つの地点で平年の10倍以上の数が確認され宇都宮市北部では11倍、佐野市では、71倍となるなど、過去10年で際立って多くなっています。そのため県は今月13日に4年ぶりとなる注意報を発表しました。注意報は16日時点で20の府県で発表されています。

センターの敷地内にあるモモの木は果実を収穫するように栽培しているものではありませんが、すでに被害が確認できます。センターでは、チャバネアオカメムシが大量発生した要因は、餌となるスギやヒノキの実の量が去年は多く、暖冬の影響もあり冬を越した成虫が多いと分析しています。

今後、県内では夏場に旬を迎えるモモや秋のナシ、リンゴなどへの被害が心配されます。こうした露地栽培の果物は、果樹園によっては、害虫などの侵入を防ぐネットをかけずに育てるため、被害を完全に防ぐことは難しいということです。また、実に充分な栄養を与えるために成熟していなうちに数を減らす「摘果」を終えた後に、被害があった場合は、生産者の収入が大きく減ってしまう可能性があり県は、早めに袋をかけたり薬剤をまいたりするなどの対策を徹底するよう呼びかけています。

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