75歳の元教師に執行猶予付き有罪判決「殺意は強固も、防御的なのもので強い非難を向けることできない」元教え子の女性から過去の性的関係について脅迫され"千枚通し"で刺す 懲役3年・執行猶予5年 札幌地裁

判決を受けた野澤俊重被告(75)

2023年9月、北海道室蘭市で、当時教え子だった2人を千枚通しで刺して殺害しようとした殺人未遂の罪に問われている元教師の75歳の男の裁判が5月17日、札幌地裁であり、札幌地裁は懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。元中学校教師の野沢俊重被告(75)は2023年9月、室蘭市の自宅前で教え子の40代の女性2人を千枚通しで刺して殺害しようとした殺人未遂の罪に問われていました。13日に開かれた初公判で野沢被告は、裁判官から殺人未遂の罪について「間違っている点はないか」と問われたのに対し「ありません」と答え、起訴内容を認めていました。弁護側は、当時野沢被告は元教え子の女性2人が家に訪ねてきた際に金銭を要求されると思い、2人を殺さなければこの苦しみは終わらないと考えてとっさに犯行に及んだと主張。一方、検察側は、妻に止められてもしつように女性を攻撃したと指摘、15日の裁判で検察側は懲役6年を求刑していました。17日の判決で井戸俊一裁判長は「2人を何度も刺していて殺意は強固だった」としたものの「殺意は攻撃的なものよりも防御的なもので強い非難を向けることはできない」として、懲役3年執行猶予5年の判決を言い渡しました。この事件をめぐっては、刺された教え子の女性2人のうち、49歳の女性は野沢被告と中学2年生から高校2年生ごろにかけて性的関係にあり、2021年10月、46歳の女性とともに野沢被告から慰謝料名目で300万円を脅し取った罪に問われ、それぞれ執行猶予付きの有罪判決が言い渡されています。

© 北海道文化放送株式会社