「手つかずの状態」最大震度6弱の地震の愛媛県愛南町 復興進むも未だ残る傷跡 震度7想定の南海トラフ巨大地震は「不安はかなり大きく…」

震度6弱を観測した愛媛県愛南町では、復興は進んでいるということですが、傷跡もまだ残っています。

「石垣の里」として知られる愛南町の外泊地区。風よけのため江戸時代後期から築かれた石垣と宇和海の美しい景観が観光名所にもなっていますが、今回の地震で石垣が11か所崩れました。

そのため、石積みの技術を継承している地元の保存会のメンバーがボランティアの助けを借りながら修復作業を進めています。

集落内の道に面した石垣は全て復旧していて、観光客の受け入れに支障はないということです。保存会では、残る2か所の石垣についても来月までに復旧させる予定です。

また、今回の地震で目立ったのが、墓石の被害です。寺では、倒れたり傾いたりする墓石が多く確認されました。

(住職)
「この辺がまだ全く手つかずの状態ではないかと思います」

地元の石材業者がほぼ毎日、墓石の修復作業を行っていて、順番待ちの状態だということです。

これまでに壊れた墓石の8割以上が直っていて、お盆までには修復が終わる見通しです。

(住職)
「ことしのお盆までに、なんとかお墓参りしていただけるようになるかなって。分からなかったんですけど、このまま行きましたら、お盆までにはきちんと皆さんにお墓参りしていただける状況になりそうですので、まずはそこは良かったかなと思いますね」

南海トラフ巨大地震では、最大で震度7の揺れと16.7メートルの津波が想定されている愛南町。

吉田学生住職は、今回の地震をきっかけに防災対策を再点検したいと話します。

(住職)
「やっぱり、南海トラフが来たらどうしようかなっていう不安はかなり大きくなりました。避難されてきた人たちを受け入れる環境づくりというのも必要なんだな、というところは強く意識を始めました」

県内で初めて経験した震度6弱の揺れ。住民の防災意識の高まりを大地震への備えに生かしていくことが重要です。

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