プロ野球選手会、新たに「発信者情報開示命令」複数申し立て ファン賛同「選手が気持ちよくプレーできる環境を守って」

日本プロ野球選手会が2024年5月15日付で「プロ野球選手に対する誹謗中傷行為等への対応報告」と題した文書をウェブサイトに掲載し、裁判所に対して新たに発信者情報開示命令の申し立てを行ったと発表した。

プロ野球ファンからは、選手や選手の家族などに対する誹謗中傷行為への厳しい対応を支持する声が相次いでいる。

24年には加害者と「示談が複数成立」、それでもやまない誹謗中傷

プロ野球選手会は17日、Xでもウェブサイトの内容を発信した。

選手会では23年に「プロ野球ファンのみなさまへ~ SNS等への投稿についてのお願い ~」として12球団を代表して声明を発表。「選手、選手の家族、監督、コーチ、球団スタッフ、審判員を含む関係者の尊厳を傷つけ、プロ野球の魅力を損なう悪質な言動を決して看過することはできません」として、「ファンのみなさまには、誹謗中傷等を拡散しないこと、SNS等での投稿にあたってマナーを守っていただくことを改めてお願いする」としていた。

24年3月には、「複数の法的措置」を行った結果、開示請求が認められて誹謗中傷を行った人物を特定し、加害者との間で「二度と誹謗中傷行為等を行わないことや損害賠償金を支払う旨の内容を含む示談が複数成立」したことを発表していた。

今回の発表によると、これまでの取り組みにも関わらず、「先般も、SNS等において、懸命にプレーする当会会員選手に対し、到底許容されない内容の誹謗中傷、侮辱や脅迫等が行われた」ことが確認されたため、開示請求を新たに行ったとしている。これにとどまらず「法的措置(損害賠償請求や刑事手続きも含みます。)の支援を実施してまいります」とした。

並行して迷惑行為の被害にあった選手に対するケアについても、全力で取り組むとしている。

ファンに向け、「誹謗中傷等を拡散しないこと、SNS等での投稿にあたってマナーを守っていただくことを改めてお願いするとともに、選手の力になる前向きなご声援をたくさん送っていただけることを心より願っています」と呼びかけた。

選手会による報告には、「言葉に傷つけられるのは本人だけにとどまらず、その家族や、それを目にしたファンも同様に心を痛めます。選手が気持ちよくプレーできる環境を守ってください」「なんならこういう事例があったんだぞって晒しちゃって欲しい 性別年齢とどんな書き込みをしてどういう罰になったかみたいな」など厳しい対応を支持する声が相次いだ。

「未加入の現役選手6名は対象外なのかなぁ」

一方で、一部の選手会に所属していない選手を案じる声もある。23年オフに選手会を脱退したことで大きな注目を集めた千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手をはじめ、過去には現在MLB・ドジャースに所属する山本由伸投手も選手会を脱退している。このほか、メジャーリーグからNPBに復帰した選手らなど、少数ながら選手会に加入していない選手もいるためだ。

「そういや所属していない佐々木朗希みたいに選手会に所属していない選手への誹謗中傷はどう対応するんだろう? さすがに球団だよな?」
「ろーきは選手会抜けてるから誹謗中傷されたら球団と個人で対処するしかないってことかな」
「選手会が開示請求と訴訟をするってことは 未加入の現役選手6名は対象外なのかなぁ なんかそれもそれだよなぁ」

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