リニア工事 水位低下を受け中断 隣町の住民「水はやっぱり一番大事」

メ~テレ(名古屋テレビ)

トンネル工事を一時中断するリニア中央新幹線。岐阜県瑞浪市の隣の御嵩町が、工事で発生する残土の受け入れについて、JR東海との協議を一時中断すると表明しました。

品川~名古屋間を最速40分で結ぶリニア中央新幹線。 開業に向けた工事が各地で進められています。瑞浪市大湫町では今週、ため池や井戸など、14カ所での水位低下が明らかになりました。トンネル工事が影響したとみられています。 水位低下を受けて、JR東海は16日、大湫町周辺でのトンネル工事を一時中断し、ボーリング調査を実施すると明らかにしました。 「本工事による影響の可能性が高いと考えているところ。引き続き専門家に相談をしながらトンネル掘削との関係を調査して必要な対策を講じるとともに真摯に対応していく」(JR東海 丹羽俊介社長)

JR東海「真摯に対応してまいりたい」

瑞浪市の西どなりの御嵩町。今後、トンネルの掘削工事が予定されています。 「本町も、井戸水や農業用水など生活に利用する住民がいます。今後の協議は、内容が明確になるまで一時停止させていただくことを申し入れます」(御嵩町 渡辺幸伸町長 JR東海への申し入れ) JR東海は、トンネル工事で発生する残土の処分地を御嵩町内の2カ所につくることを計画。 ただ、候補地には国の重要湿地が含まれるなどの懸念もあり、御嵩町は重金属な どの汚染がない「健全土」に限り受け入れの協議を14日に始めたばかりでした。 町は16日、この協議を一時中断するとJR東海に通知。今、残土置き場の話を進めるのではなく、瑞浪市の水位低下の原因究明が落ち着いてから協議すべきと考えたといいます。 井戸水を利用する町民に話を聞くと―― 井戸水が使えなくなったら? 「それは困る。やっぱり不安でしょう。誰でも不安だと思う。水はやっぱり一番大事、人にとって。それさえ別に問題なければリニア通して問題ない」(御嵩町の住民) 「外に水をまくにしても井戸があればいいし、使えなくなるというと困る。(協議を)いっぺんおいて瑞浪市の動きをみてからでいい。始まっちゃうと止めようがないから」(御嵩町の住民) 「残土の問題はまた別で考えないと。地下水はそれはそれで対策とればいいんじゃないか」(御嵩町の住民) JR東海は「御嵩町から頂いた文書の内容を踏まえて、真摯に対応してまいりたい」とコメント。 岐阜県内のトンネル工事が一時中断しても、最速で2034年とされるリニアの開業時期への影響は、現時点では「ない」とみています。

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