「松屋」一部店舗で「深夜割増」料金…すでに導入済みの「すき家」での影響は?「吉野家」の対応は?

写真:アフロ

庶民の味方である牛丼チェーン。そのチェーン店のひとつ「松屋」が、5月13日から一部の店舗で深夜料金を導入した。22時から翌朝5時の間は割増価格となる。

松屋フーズホールディングスの広報担当者が言う。

「深夜料金は、現在、1割弱の店舗で導入しております。割増率は店舗によって異なりますが、全商品に対して7%前後または10%前後を加算させていただきます。

深夜営業しておりますので、人件費の確保、原価の高騰などもろもろを踏まえたうえで導入しました。深夜料金の店舗は店頭で告知させていただいております。

北海道から沖縄県まで全国的に導入しましたが、売上や土地柄、人の流れなどさまざまな条件を調査したうえで、あくまで試験的な運用になります。いまのところ、全店に導入する予定はありません」

「松屋」に先駆け、業界初の深夜料金導入に踏み切ったのは「すき家」だ。

4月3日より、牛丼並盛など約3割のメニューを値上げし、さらに22時から翌朝5時までは、深夜料金として7%が加算されるようになった。「すき家」を運営するゼンショーホールディングスの広報担当者が言う。

「22時以降はどこも時給がアップするので、それを吸収するという理由もありますが、いちばんの目的は、『すき家』は365日・24時間、店を開けており、安定的な24時間営業をするために導入しました。

われわれの話で恐縮ですが、食のインフラとしての機能を維持することが使命としてあると考えております。

深夜料金加算の影響ですが、月次売上推移をみますと、4月は既存店の場合は前年同月比で売上は109.2%、客数も103.9%となっており、上がっています。お客様はむしろ増えており、いまのところ値上げの影響は出ていません」

残る大手牛丼チェーン「吉野家」にも聞いた。深夜料金導入の予定について、広報担当者は「現状では予定はありません」とのことだった。

Yahoo!ニュースのコメント欄では、

《飲食事業者です。深夜価格には賛成ですね。よく原価原価と言われる業種ですが、深夜営業するコストは通常営業するよりも増えますからね。さらに地方だとそもそも働いてくれる人がいないのも大きな理由です。大手が「深夜は値段上がりますよ」と声をあげてくれるのは大賛成》

《これは仕方ないんじゃないのかな むしろ今までよく取らずに経営努力でカバーしてきたと思いますよ》

X上でも、

《割増も無しに深夜に営業してくれていたことに感謝ですな》

など、納得の声が相次いだ。

22時から5時までは、法律上、賃金を25%以上加算する必要がある。それでいて客は少ないわけだから、深夜料金を払うのは当然のことなのかもしれない。

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