プーチン氏、中国ハルビンでエネルギー貿易の意義を強調 訪中2日目

中国を訪問しているロシアのウラジーミル・プーチン大統領は17日、ロシア系住民が多く住む黒竜江省ハルビン市を訪れた。前日に続き、中国との通商を重視する考えを強調した。

訪中2日目のこの日、プーチン氏は専用機で中国東北部のハルビンに移動。現地当局者らの出迎えを受けた。中国国営メディアによると、「日の出前に」到着したという。

ハルビンはロシア系住民の多さから「リトル・モスクワ」と呼ばれる。

プーチン氏はまず、1940年代に中国東北部を日本軍から解放した際に死亡したソ連軍兵士の慰霊碑を訪問。赤い花束を手向けた。

その後、「中ロ博覧会」の会場に移動し、開幕式で演説した。ロイター通信によると、プーチン氏は両国のエネルギーの関係は今後も成長し続けるとし、ロシアには中国にクリーンエネルギーを供給する用意があると述べた。

ロシアは現在、天然ガスを中国に供給するパイプライン「シベリアの力2」のプロジェクトで、中国と契約に向けた動きを進めようとしている。

プーチンはまた、両国の協力がエネルギー安全保障を確実にし、双方の健全性を増すと述べた。

一方、中国にとっても、安価なロシアのエネルギーは利益となっている。シベリアからはパイプライン「シベリアの力」で天然ガスが中国に安定供給されている。

「中南海」でもてなされた意味

プーチン氏は訪中初日の16日、中国の指導者が居住・勤務する北京の「中南海」地区に招かれた。中国国営の新華社通信によると、プーチン氏は習近平国家主席と一緒に散策し、茶を飲み、「共通の懸案となっている戦略的な問題について突っ込んだ対話」をしたという。

専門家らによると、「中南海」には通常、親しい友好国の指導者らしか招かれない。そのため、その場所で習氏がプーチン氏をもてなしたことには、象徴的な意味があるとの見方が出ている。習氏は2014年には当時のバラク・オバマ米大統領を、その翌年にはベルギーのフィリップ国王を、それぞれ「中南海」に招いた。

プーチン氏の外国訪問は、今月上旬に大統領通算5期目に入って初めて。同氏と習氏の首脳会談はこの1年余りで3回目となった。

16日の首脳会談後の共同記者会見で両首脳は、ウクライナで続く「危機」について「政治的解決」が必要だとの意見で一致したと述べた。

ウクライナ侵攻を2年以上続けるロシアは、アメリカをはじめとする西側諸国から数多くの制裁措置を受けており、中国との関係に活路を見いだそうとしている。

(英語記事 Putin arrives in China's 'Little Moscow' as allies aim to deepen trade

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