奈良の伝統行事 野外能の起源「薪御能」

奈良を代表する伝統行事「薪御能」が、17日から春日大社と興福寺で行われています。

各地で行われる薪能の起源とされる「薪御能」は、平安時代に興福寺の修二会で能の原型である猿楽が舞われたのが始まりとされます。春日大社では17日午前に咒師走の儀が行われ、金春流の金春憲和さんらが「翁」という演目を奉納しました。「翁」は、国家の安泰や五穀豊穣を祈る儀式的な内容で、能の古い形を留めています。17日と18日の2日間、春日大社と興福寺で行われる「薪御能」は、観世・金春・宝生・金剛の四座による能と、大蔵流の狂言が上演されます。初夏の陽気に包まれた境内には多くの人が訪れ、長い歳月を経て受け継がれてきた伝統行事を楽しんでいました。

訪れた人は―

「山口県から来たんですけれども、現代にはないゆっくりさというか、とても落ち着く感じでよかったと思います。」

「愛知県からです。初めて「翁」というのをしっかりと観たんですけれども、いいものをいただいたみたいなそんな感じもしました。」

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