新発田市女性殺害事件 控訴審でも無期懲役判決 — 被害者遺族「到底納得できない」【新潟】

被害者遺族「到底納得できない」

新発田市で2014年、当時20歳の女性を殺害した罪などに問われている喜納尚吾被告の控訴審で東京高裁は17日、1審の無期懲役判決を支持し検察・弁護側双方の控訴を棄却しました。

喜納尚吾被告(41)は2014年、当時20歳の女性の車にわいせつ目的で乗り込み殺害したとして、殺人や強制わいせつ致傷の罪などに問われています。喜納被告はこの事件直前、2013年にも半年間で4人の女性を襲い、1人を死亡させた強姦致死などの罪で、すでに無期懲役の判決が確定していて、関連性が量刑にどう考慮されるかが焦点となっていました。

2022年に開かれた1審の新潟地裁では、検察側が死刑を求刑したのに対し、無期懲役の判決が言い渡され、検察側と弁護側の双方が控訴しました。
検察は控訴審で、「一審判決は、すでに無期懲役が確定している4つの事件について単に『常習性が非常に高い』と評価したのみで、被告人の人命軽視の姿勢や犯行に至る経緯などの評価を誤っている」と主張。「量刑に著しく不当がある」などとして死刑を求めていました。一方、弁護側は1審と同じく無罪を主張しました。

迎えた17日の判決公判。マスク姿で出廷した喜納被告に対し、東京高裁の齋藤啓昭裁判長は事件性・犯人性ともに「1審の判断に不合理な点はない」として、犯人は喜納被告であると認定しました。一方で量刑については「強姦致死事件を含む4件の事件に引き続いて犯行に及んだことなどから、本件は犯情が甚だ悪く死刑の選択が検討されるべき事案」としたうえで「犯行に至る経緯や詳細な態様、動機や殺意の形成過程が明らかになっていない」などと指摘。「死刑を選択することがやむを得ないとまでは言えない」として1審の無期懲役判決を支持し、双方の控訴を棄却しました。

判決を受け被害女性の遺族は、「無期懲役の判断が維持されたことは到底納得できない。被告には極刑が相応という気持ちは今も変わっていない」とのコメントを発表しています。弁護側は上告について「本人と相談して決めたい」としています。

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