8年ぶりに天皇杯京都府代表となった京都産業大学サッカー部

天皇杯全日本サッカーの京都府代表決定戦となった5月12日の京都サッカー選手権大会決勝で、京都産業大学が社会人チームに圧勝し、8年ぶり6回目の出場を決めました。
勝利に貢献したのは、大学1、2年の若い選手でした。

京産大サッカー部の朝は早い。
全国屈指の実力を誇るラグビー部が同じグラウンドを使っているため、空いている時間に練習を行っています。
この日も、朝6時からA・B・Cの3つのチームに別れ、それぞれ汗を流しました。

【声】京都産業大学 Bチーム主将 辻夕雲希選手(4年)
「眠いというのは全員あると思う。
与えてもらった環境でやるしかない。
正直、昼練習に変えて欲しい。
不満はありますが、ラグビー部は、経歴や成績がすご過ぎて何も言えない(笑)」

朝7時、チームのトップ、Aチームの練習が始まります。
昨シーズン、ラグビー部の全国ベスト4を上回る全国2位に輝きました。
就任2年目となる吉川監督は、今シーズン、すでに大きな手応えを感じています。

【声】京都産業大学 就任2年目 吉川拓也監督
「ふてくされたり、モチベーションを落とす選手がいないのが、今年のチームの良さ。
僕自身が選手たちを怒る回数も圧倒的に多いですが、それは、去年を経験して基準が高いから」

Jリーガーとしてカターレ富山でプレーした経験を活かした吉川監督の熱のこもった指導。弱音を吐く選手は一人もいません。

【声】京都産業大学 菅野翔斗主将(4年)
「戦い方、自分たちの強みを理解して、みんな、それに対してまじめというか、サボる選手がいない。
がむしゃらにやらないと勝てない。
そういうのは・・・去年より完成というか、そこへ向かうスピードは、現段階では早い」

今月12日、京産大は天皇杯の京都府代表の切符をかけ、社会人チーム・おこしやす京都ACと対戦しました。
今シーズンから関西1部から2部へ降格したおこしやす京都ですが、再起を図るため、Jリーガーなどを補強しました。
実績は上の相手に京産大は、前半7分、4年・キャプテン菅野の先制ゴールで試合の主導権を握ります。
前半35分、2年、伊藤が絶妙なスルーパス。
最後は、2年、妹尾が、きっちりとゴールを決め、京産大は2対0とリードして、前半を折り返します。
後半に入っても京産大の若い力が躍動します。
先発した1年、皿良が見事なシュートをネットに突き刺し3点目。
天才レフティーとして名を馳せた皿良は、元17歳以下の日本代表で、昨シーズンはセレッソ大阪のU‐18のキャプテンとして活躍しました。

【声】京都産業大学 皿良立輝選手(1年)
「高校卒業のタイミングでプロになりたかったが、セレッソ大阪のトップ昇格はできなかったので、4年間で必ず力をつけて、世界で輝けるプレーヤーになりたい。
(勉強は?)高校の時は、中々手をつけられなかったので、大学生になって少し苦労しています(笑)」

後半14分には、2年、末谷がヘディングシュートを決め、京産大がおこしやす京都を4対0で破り、8年ぶり6回目の天皇杯出場を決めました。
この春、チーム史上最多のJリーガー5人を輩出した世代が卒業し、戦力ダウンは、まぬがれないと思われていました。
しかし、若い選手の活躍で、そんな不安も一掃。
全国2位に輝いた先輩たちも手にすることが出来なかった栄誉を勝ち取りました。

【声】京都産業大学 吉川拓也監督
「去年はハイクオリティー。質の高い選手の良さを活かした。
ことしはスピード感があり、身体の強い選手が多いので、アグレッシブにゴール方向へ迫力を持って向かう。
今シーズン初めからずっと選手と共有しながらやって来た。
去年よりボールを持つ時間は減っているが、ゴールへ向かう回数やシュートシーンは増えている。
京都府代表として、敗戦したチームの思いを含めて自分たちがしっかり表現する。
その表現はアグレッシブにという所。
攻守においてアグレッシブに展開するスタイルなので、京産のサッカー楽しいなという風に。魅力があると思ってもらえる様なゲームをしていきたい」

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