LINEヤフー事態、韓国与野党の「反日」論争に、最大野党代表「松本総務相は伊藤博文の子孫」

日本政府の株式調整要求で触発されたネイバー・LINEヤフー事態が韓国で「反日」論争に発展。最大野党代表は「脱ネイバー」圧力を加えた松本剛明総務相が「伊藤博文の子孫」とやり玉に挙げた。写真はLINE。

日本政府の株式調整要求で触発されたネイバー(NAVER)・LINEヤフー事態が韓国で政治争点化して「反日」論争に発展している、と韓国紙が報じた。最大野党「共に民主党」の在明(イ・ジェミョン)代表は「脱ネイバー」圧力を加えた松本剛明総務相が「伊藤博文の子孫」とやり玉に挙げた。

中央日報によると、野党は今回の事態を外交失敗だとして「反日」攻勢に出た一方、与党は国益を害する世論集め用の「竹槍歌」として反発した。

与党「国民の力」尹相炫(ユン・サンヒョン)議員は13日、国会疎通館で記者会見。「事態解決のために超党派的な協力に出ないのはおろか、野党の代表たちがLINEヤフー事態を反日扇動の素材とする刺激的な言葉を繰り返している」と主張した。

尹議員は「昨年11月、ネイバーハッキング事故の主体が中国という主張が提起され、日本ではこの問題を経済安保次元で深刻に捉えている」と指摘。「万が一、ハッキングの主体が中国などだったことが確認されれば、韓国政府も事実関係を綿密に把握して日本と共に対応に出なければならない」と述べた。

これに対し、野党圏は「韓国政府がLINEヤフー事態に明確な対処ができていない」と非難。朴賛大(パク・チャンデ)共に民主党院内代表は「相手が日本だからそうなのか。対策準備に協力しなければ売国政府、売国政党という批判を受けることになる」と訴えた。

鄭清来(チョン・チョンレ)最高委員は「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の対日屈従外交は十分に承知している」と指弾。徐瑛教(ソ・ヨンギョ)最高委員も「日本に強烈なパンチを食らっても倒れたままじっとしている尹大統領は一体どこの国の大統領なのか」と批判した。

李在明代表はより激烈だ。自身のフェイスブックを通じて「日本がわれわれのサイバー領土を侵奪しているが、わが政府は手放しにしている」と語気を強めた。

さらに「松本総務相は朝鮮の皇室を脅迫して国権を奪った伊藤博文の子孫(総務相の高祖父が伊藤博文)」として、「伊藤博文は朝鮮領土を侵奪し、伊藤博文の子孫は大韓民国サイバー領土『LINE』を侵奪している」と八つ当たりした。

今回の事態について、韓国政府は該当の事案が韓日関係次元で見る問題ではないという立場を堅持している。大統領室高位関係者は「ネイバーの立場を尊重して政府が待っている。積極的なアクションを望む世論があるので、ネイバーが立場を教えてくれて状況をもう少し具体的に発表しない限り、政府もアクションが取れない」と明らかにした。(編集/日向)

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