永遠に悩む…『名探偵コナン』新一と平次、どちらがイイ男なのか

『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(C)2024 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

4月12日に公開された劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』が大ヒット上映中だ。今回のメインキャラクターの一人である服部平次の活躍も素晴らしい。

ご存知の通り、服部はコナンこと新一のライバルであり良き親友だ。「東の高校生探偵」と呼ばれる新一に対し、服部は「西の高校生探偵」と称されるほど探偵としても優秀である。また二人ともイケメンで男性としてもなかなか甲乙つけがたいところ。

そこで今回は、両者のイケメンエピソードから、新一と平次の一体どちらが“イイ男”なのか考えてみたい。

■幼い服部がプロポーズ!? 自称婚約者が登場『から紅の恋歌』

2017年公開に公開された劇場版『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』。服部がイイ男すぎるのか、この映画では自称婚約者という大岡紅葉という美少女が登場した。

関西有数の名家・大岡家の令嬢である紅葉は、京都泉心高校2年で競技かるた「百人一首」の高校生チャンピオンである。紅葉は幼いころに出場したカルタ大会で、飛び入りで参加してきた服部少年に敗れてしまう。悔しさのあまり大泣きした紅葉に、幼い服部は「泣くなや」「今度会うたら嫁に取るさかい」と慰める。なかなかの大胆発言だが、裏表がない服部が言うとサマになったのであろう、この言葉により紅葉は服部を未来の旦那さんと決めてしまったのである。実はこの言葉は「今度会うたらもっと(手を抜かずカルタを)強めに取るさかい」の聞き間違いだったのだが……。

いずれにせよ、幼い頃の服部も泣いている女の子がいるとほっとけないイイ男であったようだ。

■新一が告白!? アニメ100話・101話『初恋の人想い出事件』

コミック18巻『初恋の人思い出事件』(アニメでは100話・101話『初恋の人想い出事件』)では、新一の初恋をにおわせるエピソードがあった。

その相手として登場したのが、「ミス東都」で大学在学中に小説の新人賞を取るなど才色兼備の美女・内田麻美だ。彼女は、新一や蘭が帝丹中学1年だったときの生徒会長で、新一が告白したと噂された人物であった。しかしこれはデマで、新一を振り向かせるために麻美自身が流したものだった。

麻美はどうしてここまで新一のことが好きになったのだろう。それは、彼女が作ったレモンパイがきっかけだった。中学3年生のときに、自家製のレモンパイをサッカー部におすそ分けした麻美。しかしこのレモンパイ、後に分かるがかなり不味いものだったらしい。

美人の麻美に気を使ってか皆がおいしいと無理して食べている中、新一だけが「なんかマジィっスよこれ」と正直に感想を述べた。その後麻美は、新一にうまいと言わせるためだけに毎日レモンパイをサッカー部に作って届けるように。そのうちいつの間にか彼女はサッカー部のマネージャーになり、気づくと新一が好きになっていたとのことだ。このエピソードで語られた初恋とは麻美の初恋だった。

ちなみに、新一の初恋相手はもちろん蘭だ。保育園で出会ったときにすでに恋に落ちていた。

■服部の初恋相手はやはり…?『迷宮の十字路』

一方、服部の初恋相手は2003年公開の劇場版『名探偵コナン 迷宮の十字路(クロスロード)』で語られていた。

服部の初恋相手は、小学校3年生のとき訪れた京都で偶然見かけた女の子だ。着物を着て手毬唄を歌う少し年上の少女に一目惚れしてしまう。本作のファンの一人としては、初恋の相手が遠山和葉ではなかったのを少し残念に感じるところだが、実はこれは取り越し苦労で、後にその少女こそが和葉であったことが分かる。幼い服部にとっては、おめかしした着物姿の和葉が少し大人びて見え、彼女だと分からなかったようだ。

本作のラストで、服部はその少女が今横にいる和葉であったことに気づくと「(初恋の人に)やっと会えたっちゅうわけか」とうれしそうに呟く。なんだかんだで和葉に一途な服部はやはりイイ男だった。

ちなみに本作は、服部が初のメインキャラとなった映画作品でもあり、カッコいいバイクや剣のアクションなどイケメンシーンも存分に楽しめる。服部ファンには外せない作品だ。

■新一の覚悟の言葉はシリーズ屈指の名ゼリフに!『時計じかけの摩天楼』

1997年公開の劇場版『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』。記念すべきコナン映画1作目であるが、この作品に新一のイイ男ぶりを集約するような名シーンがあった。

新一の誕生日、半ば強引にデートの約束をした蘭。しかしデートの場所である“米花シティビル”は犯人によって爆破され、がれきにより蘭はビル内に閉じ込められてしまう。さらに時限爆弾はもう1つあり、それを蘭ひとりで解除しなくてはならなくなった。

この蘭のピンチに駆けつけたコナンは、閉ざされた扉越しに変声器を使い、新一として励まし続けた。「心配すんな おめえが切り終わるまでずーっとここにいてやっからよ 死ぬときは一緒だぜ」は、新一が覚悟の言葉であり、蘭を思う姿はまさにイイ男だった。

最後に赤と青のコードのどちらか1本を切ることを迫られるが、新一との“赤い糸”を切りたくなかった蘭は青のコードを切り、無事時限爆弾の解除に成功した。新一と蘭の赤い糸が2人や多くの人の命を救った素敵なエピソードだった。

今回は『名探偵コナン』に登場する工藤新一と服部平次、どちらがイイ男なのかそれぞれのイケメンエピソードを見てきたが、新一は蘭を、服部は和葉を、一途に思い続けているところが最大のイイ男ポイントだったように感じる。しかし、結果さらに悩まされることになってしまった。

ちなみに、コミック71巻『ホームズの黙示録』にて、新一は蘭に告白し後に恋人同士になっている。一方、服部の告白は失敗続きで、恋愛においては一歩ライバルに後れを取っている状態だ。現在公開中の『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』では、服部と和葉の恋の進展は見られるのだろうか。その点にも注目したい。

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