蝉川泰果「一時はダメかと思った…」もギリギリ予選通過

蝉川泰果は後半12番のイーグル、18番のバーディで滑り込んだ(撮影/奥田泰也)

◇国内男子◇関西オープン 2日目(17日)◇名神八日市カントリー倶楽部(滋賀)◇6869yd(パー70)◇晴れ(観衆1082人)

昨年大会覇者の蝉川泰果が初日95位から、カットライン上の58位に滑り込んだ。折り返した時には暫定カットラインまで5打届かなかった。しかし、11番でバーディ、12番(パー5)で右からの逆風に3番アイアンのフェードをぶつけ、8mに2オンさせ、イーグルパットを決めた。最終18番は5mのチャンスがカップ周りをクルリと回って、コトリと入った。

絶体絶命の状況から這い上がった。「勝負強いなって思います。僕も一時はダメかと思ったんで」。前週の米ツアーからの強行軍。月曜(13日)夜に羽田空港に着き、自分でハンドルを握って約6時間の車移動をこなすなど“完徹”を交えて時差ボケを吹き飛ばした。

ところが、ショットはキャリー数十センチ差でラフに埋まるわ、アドレスの取れないライに止まるわ、パットはカップにけられるわ。「人生でこんなにツキのなさを感じたのは初めて。だから最後のパットが入ったのは“必然”と思う。もうええ加減ええやろって」と笑った。

首位と12打差も「諦めない」(撮影/奥田泰也)

開催コースが今年と同じ2015年大会でツアーデビューした。中学の修学旅行を欠席して臨んだ予選会を突破し、通算17オーバーで予選落ちした。「プロってすごい」と肌身で感じた少年が9年経って、大会連覇に挑む。

「トップとは12打差あるけど、まだ全然やれると思ってます」。残り2日、大逆転連覇を目指し、成長した姿を見せたい。

距離感が課題のアイアンも上昇ムードの石川遼(撮影/奥田泰也)

石川遼も初日71位から「69」で巻き返し、49位で予選通過を決めた。「昨日出遅れて、スコアに余裕がない中、今日も前半は風が強くて」。しかし、後半12番でバーディを決めて“圏内”に入り、その後はパーを重ねた。

終盤は14番から4連続で5m以内のチャンスを作った。「昨日からショットは修正できました。ティショットが良くなって、アイアンも」と、課題にしていたアイアンショットの距離感にも手応えを感じている。

「予選通過がかかったプレッシャーの中でこういうゴルフができたのは良かったです」。決勝ラウンドでの巻き返しへ、表情は明るかった。(滋賀県東近江市/加藤裕一)

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