「本当に良いスタートダッシュができた」5月18日に就任から1年を迎える後藤田知事に聞く【徳島】

5月18日で、後藤田正純徳島県知事は就任から1年を迎えます。

何かと話題を振りまく後藤田知事に、就任1年を迎える心境と今後の県政運営について、森本真司アナウンサーが話を聞いてきました。

スタートダッシュは?

(森本真司アナウンサー)

「就任して1年ですが...」

(後藤田正純徳島県知事)

「僕にとっては、本当に良いスタートダッシュができたなと思っている。県民の代表である二元代表制の議会の皆さんとも非常に良い議論が出来たし、その中でも一緒に前を向いて進んでいこうと、安定的でかつ緊張感のある県政ができていると思う。次の10年ということは、まさにこの最初の4年(1期目)が本当の勝負。ここでさぼったら兎と亀じゃないが、本当に10年後はもう、見るも無残だと思う。だからこそ、私は良くも悪くも焦っているし、僕からすると時間がない。それくらいこの4年間が勝負だから」

最も注目される新たな県都のまちづくり案は?

地方創生のため「時間がない」と強調する後藤田知事、就任1年でもっとも注目されたのは新たな県都のまちづくり案です。

(森本真司アナウンサー)

「県議会6月定例会がいよいよ始まる。県が提案している藍場浜公園での新ホール計画の調査結果が出てくるかと思いますが」

(後藤田正純徳島県知事)

「どこのメディアもホールの話ばっかりになるが、僕はやはりその前に『木を見て、森を見ず』、『ホールを見て、まちづくりを見ず』ではだめだと。現に駅前周辺の開発で、四国の中で唯一この10年で地価が下がっているのは徳島。(地価が)10%以上下がっている。一方で松山駅の開発、高松駅の開発、その周辺は10%以上地価が上がっている。だから私は一つの案として、『徳島駅前周辺の一つの開発はこういう感じが良いのではないですか?』と話をこの前の県議会でした。もちろん徳島市も(まちづくり計画案を)持っている。だけどそれの具体的な物ができていない、県との連携も出来てなかった。だから鉄道高架も何十年も議論して何も進まない、徳島駅の徳島城公園口も県都の駅でありながら南口しかないというのは、全国中探してもない。南口があればみんな北口がある、なんなら西口も東口もある。私は徳島のアイデンティティである眉山と、徳島市のアイデンティティである徳島城を風通しをよくしたい。ここが遮断されている内は、徳島というアイデンティティの力というものが完全に封印されてしまっている」

そのまちづくりの観点からも、藍場浜公園に新たなホールを建てることは意味があると強調します。

(後藤田正純徳島県知事)

「(藍場浜公園の)ご成婚広場に、なおかつ商店街や駅前とか全部連携する。そして県民のアイデンティティである眉山と、徳島城を結ぶ結節点にあるというのは、すごくそれは歴史的に後で意味が分かってもらえると思う」

後藤田知事は新たなホールの座席数は1500席程度とし、求められる機能や設備については次のような方針を示しました。

(後藤田正純徳島県知事)

「(大ホールの)1500席ミニマムだけにするということ、今回は機能美だけでいいと、景観美はいらない。なぜならホールというのは中で音楽を聴くなり、何かを感じるところだから。景観を感じるところではない。機能、そして同時にオペレーションもやれる、そしてまちづくりもやれるような人たちのアイデア。今までの土木とか箱物行政は、もうお偉い設計の人がぼーんと来て、そしてゼネコンがばーんと来て、オペレーション?何に使うかとか知りませんみたいな感じだった」

(森本真司アナウンサー)

「後藤田知事の中では、まちづくりが一丁目一番地の政策として捉えてよいのか?」

(後藤田正純徳島県知事)

「徳島市においては県都なんだから、県都の顔として音楽ホールの議論だけではなくて、もう見てください、周回遅れですよ。高松駅にアリーナができ、長崎にはいろんな人たちがアイデアもお金も出してアリーナやスタジアムを作ろうとしている。新幹線も来る。徳島駅の価値を最大化するのは、やはり駅の裏がいちばん良いと思う。それによってJRの鉄道外収益も上がっていく、駅の近くにファイブスター(5つ星)の外資系のホテル・日系のホテルが来ただけでどんどん盛り上がっていく。そうするとJR四国の経営も良くなる、そうすると南の路線(JR牟岐線)西の路線(JR徳島線)JR鳴門線、JR四国の経営状態が良くなれば廃線するとか減便することもなくなるのではないか。全部、相乗効果が出てくる。だからまちづくりという森を見る議論が必要だ」

県民はどう見ているのか?

県政運営について熱く語る後藤田知事、この1年間の歩みを県民はどう見ているのでしょうか?

Q.後藤田知事が就任1年になるが、いまの県政をどう思うか?

(県民)

「よく頑張っていると思う」

「今のところ、あの人どうのこうのちょっとよく分からないが、真面目にやっているのでは」

「結果はどうなるか分からないが、よくするように一生懸命努力しているのではないかな」「両親がものすごく『マチアソビ』を楽しみにしていたのに、ゴールデンウイーク開催されなかった。内容を変えるのは良いと思うが、本当に説明不足だなと思った」

「一年目だからあんなものじゃないかなと。これから段々と自分の色も出てくるだろうから、それからの判断では」

(森本真司アナウンサー)

「説明不足ではという指摘に対しては?」

(後藤田正純徳島県知事)

「やはりスピード感と私自身の考え方・感性が、県庁のスタッフにもなかなか届かない場合もある。それは県民の皆さんもそういうことはあると思う、多々。そこは私自身、説明の仕方、そこは一つ反省すべき点があるのかなと思う。僕ももちろん間違ったことを言うこともあるし、それは素直にそれは間違ってたなということもこの一年であったし、そこはもう朝令暮改で良いと思う。ただ間違いを恐れて、完璧を求めて、スピード感がなくなるというのはダメ」

2年目に向けての抱負は?

(後藤田正純徳島県知事)

「1年目は一つの種まきというか、水まきというか、土壌づくり。こういうことだったと思う。2年目もまだ若干そういったところもあるが、小さい芽や、ちょっとした花が今年は咲きますので、ぜひ期待してもらいたいし、われわれ県庁一丸となって、県民の皆さんの力を最大化するために頑張っていきたいと思う」

若手職員らへの積極的な声がけも

1年目は政策面はもちろんですが、「新たなリーダー像」という面での注目度も大きかった後藤田知事。

森本アナウンサーのインタビューでは時間が足りなくなり、このあと県庁の食堂で食事を一緒にさせていただきながらお話を伺いましたが、その際も若手職員らに積極的に声をかけて現場の声も拾っていました。

これも知事の言う「スピード重視」の一つかもしれません。

「種まき」と表現した1年目は、まちづくりなどで大きな変化もありました。

着実に花を咲かせるためにも、2年目以降にどんな舵取りをしていくのか...県民は注目しています。

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