「1万円以下で買えるお宝パター」勝手にランキング えっ、アレもその値段!?

ジェイソン・デイのパター(左)も菊地絵里香のパター(右)も中古で探せば掘り出し物が…

原材料費の高騰や円安などの影響から、最近はゴルフギアの値段も上がってきた。特に目立つのがパターの値上げだ。矢野経済研究所の2023年のデータによると、平均単価が19年と比べて30%近く上がったという。「週末のラウンドで入らなかったから買い替えだ!」というゴルファーは中古ショップでも減っていると聞く。今回は1万円以下で購入できるオススメパターを紹介しよう。

パターの値段はどうして上がった?

およそ5年前まで、パターの価格は2万円が相場、3万円台となると少し高級品と言えた。それが最近は4、5万円台のものが珍しくない。高級パターの代名詞だったタイトリストのスコッティキャメロンが今では割安に感じられ、売り上げを伸ばしているという話もある。当然ながら中古市場でもパターの高値傾向と連動しており、1万円以下のモデルが減った。

塗装されているヘッドや、スーパーストローク系のグリップは程度劣化が早い

筆者はオデッセイの「2ボール ブレード」シリーズをコレクションしている。仕事前にGDOショップで中古品をチェックするのが朝のルーティン。毎日をそう過ごしていると気がつくのが、1万円以下パターがすぐに売れてしまうことだ。朝の時点で迷って、昼にチェックするともう売り切れで涙をのむ日も多い。

1万円以下の中古パターはそもそも状態が悪く、ヘッドカバーも付属していない場合がほとんど。しかし、ヘッド上部やフェース、その境目に傷がないものが狙い目だ。プレー中に気にならなければ特段問題はないと言える。ヘッドの塗装をチェックしつつ、グリップは自分好みのモデルに交換できると思えば選択肢は広がるはずだ。

「PRGR」と「YONEX」も意外な狙い目

どちらもショートパットに悩むゴルファーにオススメしたい

パターブランドはオデッセイ、スコッティキャメロン、テーラーメイド、ピンといった海外製品が主流。なかなか目立たない国産メーカーだが、プロギアとヨネックスは特色あるモデルを世に出している。プロギアはシャフトの延長線上に芯があるセンターネックのバリエーションが多い。ショートパットが苦手なセンターシャフト好きにはおススメできる。「シルバーブレード BB-04CS」(2017年)は6000円台で見つかった。アルミを大胆に用いていて、打感が驚くほど柔らかい。

ヨネックスのユニークなパターも面白い。「トライプリンシプル TP-GR1」(2016年)は、理論上「1mのパットが90%以上の確率で入る」というトライプリンシプル理論を継承したモデル。こちらもショートパットに悩むゴルファーにうってつけ。8000円前後で手に入る。

オデッセイの“あの名器”が1万円以下で

オデッセイの名器も比較的新しい年式のストロークラボも1万円以下

パターのナンバーワンブランドとして名高いオデッセイの製品は流通量が多く、1万円以下の中古も多く見つけられる。初代「ホワイトホット 2ボール」(2002年)は8000円前後。状態が良いものでも1万円弱が相場と言える。

丸山茂樹や谷口徹が愛した「ホワイトホット #5」(2000年)も6000円から1万円弱。いくら状態が良いと言っても、発売から20年以上経ったモデルは抱えた傷も多い。ただ、名器には違いない。コンディションに目をつむれば、2019年発売の「ストロークラボ セブン」や「ストロークラボ DW」といった、カーボンとスチールの複合シャフト装着モデルも1万円以下でゲットできそうだ。

歴代スパイダーもうじゃうじゃ見つかる

メジャーを獲ったスパイダーも1万円以下

ジェイソン・デイ(オーストラリア)やダスティン・ジョンソンがメジャータイトルを獲ったテーラーメイドの「スパイダー ツアー レッド スモールスラント」(2017年)や「スパイダー ツアー ブラック」(2017年)も1万円以下で見つかった。

ただし、赤い塗装のヘッドは劣化が目立つ。テーラーメイドは近未来的なイメージづくりがうまく、革新的な形状やカラーリングを採用してきたこともあり、塗装されたモデルが多い。そのため比較的新しい年式のパターも1万円以下になりやすい。「スパイダー S ネイビー」(2020年)や「スパイダー GT ロールバック シングルベント」(2022年)なども選択肢に入ってくる。

ピンはもちろん、あのメーカーもお忘れなく

ピンは現在の爆発的な人気に至る前のモデルを狙いたい。「ケーデンス アンサー2 BK」(2015年)は9000円台、「スコッツデール シェイ」(2011年)は7000円前後。ヘッドバリエーションが多かった時代のピンならではの面白いパターが低価格で見つかるかもしれない。

また、今ではウェッジで有名なクリーブランドのパターも優良品。新しくて状態が良く、価格も手頃な中古品が多い。「ハンティントン ビーチ SOFT 11」(2020年)や「フロントライン10.5」(2021年)など1万円以下とは思えないモデルが見つかった。大手メーカーらしい、しっかりしたつくりも魅力的だ。

ピンは古いモデルが狙い目(上段)。クリーブランドは新しいモデルが安い(下段)

1万円以下のパター探しは、やはり状態との闘いと言える。そこに目をつむれば、初代スパイダーや、初代ホワイトホットといった名作をきっとゲットできる。筆者は最近、オデッセイ「Tri HOT #2」(2001年)を9980円で手に入れたばかり。根気よく探した分だけ、お値打ち品に出合える確率は高いと断言しよう。(文・田島基晴)

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