浄土目指した渡海上人 和歌山県・補陀洛山寺で供養

和歌山県・那智勝浦町できょう(5月17日)、海のかなたにある浄土を目指して小舟で旅立ち、帰ることがなかった渡海上人(とかいしょうにん)と呼ばれる僧侶らを供養しようと、世界遺産の補陀洛山寺(ふだらくさんじ)で法要が営まれました。

渡海上人と呼ばれる僧侶は、平安時代から江戸時代までわずかな食料と水などを積んだ小舟に乗せられて補陀洛山寺の近くの浜から海へ出て20人以上が旅立ち、死の直前までお経を唱えたと伝わっています。

寺には、1993年に復元された木造の舟が飾られていて、きょうは、本堂で法要が行われた後、高木智英(たかぎ・ちえい)住職らが 裏山にある渡海上人の墓の前でお経を上げました。

高木住職は「こうして寺が続くのは 渡海上人らが守ってきたおかげです。感謝の念を込め供養しました」と話していました。

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