電撃退任発表から一転続投のチャビ監督が解任の危機…クラブが“財政問題”を口にしたことに不信感

一転して解任の危機に立たされているチャビ監督[写真:Getty Images]

今シーズン限りでの退任を発表していながら、一転して来シーズンも続投することを発表していたバルセロナのチャビ・エルナンデス監督だが、解任される可能性があるようだ。スペイン『ムンド・デポルティボ』が伝えている。

慢性的な財政難に陥り、満足いくチーム作りもできない中で戦っていたチャビ監督。そんなこともあり、シーズン中の大敗を受けて電撃的に退任することを発表していた。

後任監督探しなども始まっていた一方で、ジョアン・ラポルタ会長をはじめとしたクラブ幹部は続投を求め、その思いを受け止めたチャビ監督が続投に合意。チームも状態を持ち直すなど、来シーズンに向けて良い状態に入っていると思われた。

しかし、一転して今度はクラブ側がチャビ監督へ不信感を持ったとのこと。16日に行われたアルメリア戦に向けた記者会見の様子に失望したという。

チャビ監督は記者会見でクラブの財政状況に言及。レアル・マドリーや他のヨーロッパのトップクラブとの競争はできないと発言した。

「バルセロナのファンは、スペインのレアル・マドリーや他のヨーロッパ諸国のクラブと競争するのは、特に経済的に非常に困難な状況であることを理解する必要があると思う」

「我々はこれに適応するつもりだ。それは、競争したり、トロフィーを争うために戦いたくないという意味ではない。現時点でのバルセロナの状況ということだ。我々には安定性と時間が必要だ」

そもそもはクラブが生み出した負債。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを境に、クラブが抱える巨額の負債が明るみ出ており、以前のクラブの体制などが生み出した負の遺産灯されている。

その解消に当然動いている一方で、移籍市場が開くたびに競争ができない状況は監督にとっては不満であることは違いない。選手の登録ができないこと、資金を生み出すために選手を売却しなければいけないことなど、プラスに働くものはない状況だ。

一方で、クラブとしてはその発言が許せなかった模様。そのため、新たなプロジェクトを一旦白紙にし、チャビ監督を解任する声が高まっているという。

今シーズンのバルセロナはレアル・マドリーから大きく離されて2位。コッパ・イタリアもチャンピオンズリーグも敗退し無冠に終わった。

昨シーズン王者でありながら、1年で無冠に。加えて、今夏の移籍市場ではライバルのマドリーは補強にも動ける状況。チャビ監督が言いたいことも、理解はできるだろう。

© 株式会社シーソーゲーム