未公表情報資料を自ら作成か エーバランス元執行役員

 太陽光パネル製造会社「Abalance(エーバランス)」株を巡るインサイダー取引事件で、金融商品取引法違反容疑で逮捕された同社元執行役員の堀内信之容疑者(60)が、逮捕容疑に関する未公表情報を記載した開示資料を自ら作成していたことが17日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は、IR(投資家向け情報提供)担当として資料を作成する過程で情報を入手した疑いがあるとみている。

 堀内容疑者が同社株の不正売買を繰り返し、数千万円規模の利益を得たとみられることも分かった。

 逮捕容疑は23年1月ごろ、エーバランスの子会社がベトナムでの部品工場建設のための設備取得を決定したとの未公表情報を知り、公表前にエーバランスの計1万9400株を約5316万円で買い付けた疑い。

 エーバランスによると、堀内容疑者は東京証券取引所などを経て、23年1月、投資家の問い合わせに答えるIR広報室長兼経営企画室長として入社した。

 同月下旬の株価は2600~2700円台だったが、公表した2月10日は3145円まで上昇した。

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