知事不在の中、静岡県議会5月臨時会が5月17日開かれ、新たな議長が選任されました。一方「仙人になる」と言い残し5月9日をもって退任した川勝前知事が県庁を訪れ議員にあいさつをしました。
【写真を見る】“仙人”になった川勝前知事「水位低下の一事例が岐阜」リニア問題に物申す 知事不在の県議会では新議長を選出=静岡
知事不在の中、開かれた県議会5月臨時会。新たな議長を決める選挙が行われ、自民改革会議の落合愼悟議員が第117代議長に選ばれました。
<落合愼悟新議長>
「これまで培ってきた知識と経験を生かし、円滑なる議会運営と議会の更なる活性化に努めてまいります」
また、知事代理の森副知事は「今月末の新知事就任までの間、誠心誠意職務を全うする」とあいさつし、川勝知事の辞職に伴う県知事選挙などにかかる経費、15億4800万円の専決処分が採決され、承認されました。
<坪内明美記者>
「いま、退任した川勝前知事が県庁本館に向かっています。これから議会への挨拶を行うということです」
退任後、初めて姿を見せた川勝前知事です。
<川勝平太前知事>
Q.久しぶりの県庁ですが、いかがですか?
「・・・」
突然の退職で在任中の議会へのあいさつができず、異例の退任後となりました。あいさつは非公開で5分ほど行われました。
Q.どんなお話をされたんですか?
(報道陣にあいさつの文章を手渡す)
川勝前知事が報道陣に手渡したあいさつの文章では、議会への感謝とともに文化力を上げるための具体策を6つ挙げ、「自然環境を大切にし命の水を守るのは県民の代表たる者の使命」と締めくくられていました。
報道陣の問いかけには無言を貫く川勝前知事でしたが、リニアの問題になるとついに口を開きました。
<川勝平太前知事>
Q.岐阜の水枯れの問題で一言
「生態系の有識者会議では、どの沢、どの渓流も、みんな水位が下がると言っている、それの一事例が岐阜ではないでしょうか、はい、ごめんください」
そう言い残すと笑顔で自転車を走らせ、県庁を去りました。
正副議長の就任会見では、落合新議長が「川勝県政において県議会が混迷した」と述べ、今後の議会運営について抱負を語りました。
<落合愼悟新議長>
「川勝前知事のトップダウンのやり方、本当に県民のためにということが感じられなかった。県議会と執行部については両輪で回るし、お互い協力しないと県民のためになりませんから」
5月26日には新たな知事が誕生しますが、安定した議会運営となるか、注目されます。