米下院、貧困や気候問題の支出削減法案 民主党反対 上院通過見通せず

Leah Douglas

[ワシントン 17日 ロイター] - 共和党が主導する米下院農業委員会は17日、貧困層への食料援助や、気候変動問題に対応する農家を支援するための支出を削減する条項を含む農業関連法案を発表した。

法案は10年間で1兆5000億ドルを必要とするが、民主党の反対を招いており、民主党が優位に立つ上院での通過は見通せていない。

農業関連法案は、伝統的に5年ごとに可決される。

前回の2018年の法律は期限切れを迎え、すでに1年間延長されている。新たな法案を通過させることができなければ、再び延長する措置を取る可能性がある。

トンプソン下院農業委員長は、下院農業委が提示した法案について「農業国のニーズに応えるものだ」とする声明を出した。

農業委の担当者によると、法案は、低所得世帯への食料給付を行う補助的栄養支援プログラム(SNAP)への支出を、10年間で270億ドル削減するという。食料支援を担う団体は削減に反対している。

下院法案はまた、インフレ抑制法によって措置された、気候変動に配慮した農家への144億ドルの拠出を取り消す。

これに対し、民主党と環境保護団体は法案への反対を表明。上院農業委のスタベナウ委員長(民主党)も「実現不可能」だと述べた。

バイデン政権もこうした拠出を維持する方針だ。

農業関連法案は、23日に下院委員会で採決される予定。一方、上院農業委も今月1日に法案の概要を発表している。

上下両院の委員会は、本会議への送付前に、両者の法案を調整しなければならない。成立には、バイデン大統領による署名も必要になる。

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