【広島】これが新井政権の〝成長度〟か 依然得点力不足もこの1か月「連敗なし」

初回、生還した秋山(右)を迎える広島・新井監督

これが新井政権2年目の〝成長度〟か。広島は17日の巨人戦(マツダ)で2―0と競り勝ち、再び貯金生活に戻った。

この日は4番に座って7試合目の小園海斗内野手(23)が初回に右翼へ先制の適時二塁打。投げては6回無失点の先発・大瀬良大地投手(32)から5投手のリレーでつなぎ、巨人打線を相手に最後まで得点を許さなかった。5月7日以来続く「4番・小園」の打線で主砲が打点をたたき出せば、チームは5連勝。そんな〝不敗神話〟とも言える好循環が生まれている中、試合後の新井貴浩監督(47)は「打線を線として考えたとき、今は彼(小園)が頑張ってくれている」と淡々と述べた。

18日現在で2位・巨人に1・5差の3位と大混戦のセ・リーグにAクラスに入って食らいついている。その要因は、やはりリーグ最少の84失点、同2位のチーム防御率2・34を誇る投手陣の安定感によるところが大きい。一方で打線はリーグ最少の得点、開幕から唯一4番打者に本塁打がなく、チーム本塁打数12本もリーグ最少だ。得点力不足は開幕以降、一向に解消されていないのが現状でもある。

ただし、この1か月間で明らかに変わった点がある。それは一度も「連敗」がないことだ。

4月16日以降、今季最多の4連勝、4つの引き分けなど「痛み分け」の日を多く記録した上で4月14日の巨人戦以来、1か月以上「負け」が続いた日はない。同14日の借金4が今季ワーストである半面で貯金は「1」が最多とチームの浮き沈みの少なさは、ここまでリーグ随一と言い切っていい。1試合当たりの平均得点は3点以下と限られた得点しか稼げていないとはいえ、ズルズルといかない勝負強さは混戦のリーグにおいて地味ながら不気味な存在になりつつある。

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