クリアできた猛者はいたのか? ファミコンでゲーム化も…難度が高すぎて涙した「伝説の海外名作映画」

ファミコンソフト『トップガン』、『スター・ウォーズ』(ふたまん+編集部撮影)

ジャッキー・チェンの名作映画『スパルタンX』が、今年で公開40周年を迎える。ジャッキーファンの筆者にとって、我が子たちにも伝えている映画の一つであり、もちろん、1985年に発売された同名のファミコンソフトもやりこんでいる。

そういえば、当時のファミコンでは洋画を原作としたゲームがたびたび発売されていたものだ。代表作といえば、やはり名作『グーニーズ』だろう。映画とゲームのどちらも大ヒットしていた。

さて、洋画をファミコン時代にゲーム化したソフトは、基本的に難易度が高かった。そこで、原作が洋画の“難しいけど懐かしい”ファミコンソフトを紹介していこう。

■『トップガン』画期的な3Dシューティングで気分はトム・クルーズ…にはならない高難易度

1986年に公開された『トップガン』は、トム・クルーズがトップスターの仲間入りを果たした大ヒット映画だ。続編が2022年に公開されており、記憶に新しい人も多いだろう。

青春映画と言われる本作だが、戦闘機の迫力や人間ドラマも濃厚で、あらためて素晴らしい映画だったと思う。ちなみに筆者はかつて、本作の主題歌を着メロにしていたものだ。

そういえば、トム・クルーズだけでなく、メグ・ライアン、ヴァル・キルマー、ティム・ロビンスなど、のちの主役クラスが若手で勢ぞろいしていた出世作でもあった。今考えると、非常に豪華すぎるキャスト陣だ。

そして、ファミコン版は1987年にコナミ(現:コナミデジタルエンタテインメント)から発売されており、当時では珍しい3Dシューティングゲームだった。オープニングデモの戦闘機がカッコよかった。

しかし、難易度は高い……。なにが難しいかって、敵と戦うのはもちろん、旗艦の空母に着艦するときにコツが必要だった。せっかく敵をやっつけても、ステージの最後には帰還に成功しないといけないのだ。

「気分はトム・クルーズ」と言いたいところだが、そんな余裕はないくらいに緊張感の高いゲームだったといえるだろう。

■『プレデター』無敵の生命体よりもステージ移動が強敵だった…

映画好きの筆者だが、登録している有料動画配信サイトでなぜか『プレデター』がおすすめに上がってきた。1987年に公開された本作、主演はアーノルド・シュワルツェネッガーである。

この映画は怖かった。地球外生命体のプレデターが、ジャングルで特殊部隊を襲ってくる。ゲリラ戦を仕掛けられているようで、なおかつ向こうのほうが装備的にも戦闘力的にも圧倒的に上という設定。姿を消し、突如襲い掛かってくるプレデターに恐怖したものだ。

カール・ウェザースもカッコいい。当時は『ランボー』のシルベスター・スタローンとシュワルツェネッガーが大人気で、どちらのアクション映画が好きかでクラスメイトと議論していたものだ。そこへ、ロッキーのライバルだったアポロ役のウェザースが登場したのだから当然ながら燃えた。

本作のファミコン版は、1988年にパック・イン・ビデオ(現:マーベラス)から発売されている。このゲームはデモ画面が素晴らしい。迫力があるし、シュワルツェネッガーも魅力的だ。しかし、こちらも難易度が高い。

ステージは全26面ある横スクロールアクションゲームで、なぜか大きいキャラと小さいキャラに分かれたパートがある。ラスボスはプレデターの巨大頭なのだが、とにかく道中の移動が大変だった。崖から落ちようものなら一発アウトだし、ジャンプのタイミングがとても重要だった。

当然筆者も諦めてしまったのだが……当時の小中学生でクリアできた猛者はいたのだろうか。

■誰もが知っている名作『スター・ウォーズ』はファミコンで異例の2作品登場

日本で1978年に公開された『スター・ウォーズ』(全米では1977年公開)は空前の大ヒットを遂げており、SF映画をエンターテイメントとして確立した名作映画である。

もはや説明不要の大作なのだが、本作は壮大なサーガのエピソードIVにあたり、「新たなる希望」という副題が付いている。

素晴らしい視覚効果、欲しかったライトセーバー、フォースという造語、巨大な宇宙船、スピード感のある戦い、強敵ダース・ベイダーなど、本当によく当時に実現できたものだと思ってしまう。なにより『スター・ウォーズ』といえば、やはり人間ドラマが素晴らしかった。

今となってはレジェンドばかりだが、出演者やスタッフもみんな当時はほとんど若手ばかり。監督のジョージ・ルーカスでさえ30代前半と、まだまだ若い。才能が結集した傑作といえよう。

さて、ファミコンでは1987年のナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)版と1991年のビクター音楽産業(現:マーベラス)版が存在する。

ナムコ版では「お前誰だ?」となった、伝説のサソリベーダーなどのオリジナル要素が強く、横スクロールアクションゲームがメイン。3Dシューティングの要素もあり、難易度はかなり高めだった。

そして、ビクター版は原作に忠実であり、こちらもアクションとシューティングを併せ持った作品だった。ファミコン後期に発売されたこともありグラフィックも綺麗で、ルーク以外のキャラも操作できるのが斬新だったものである。

個人的にはオビ=ワン・ケノービが「さあ? おぼえがないなあ…」とドアップになるシーンが印象的だった。そしてやはり難易度が高い。異例の2作品はどちらも難しいという、甲乙つけがたい作品といえた。

さて、洋画が原作のファミコンソフトといえば『ランボー』や『アンタッチャブル』、『スーパーマン』など、ほかにもたくさんある。また機会があれば紹介していきたい。

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