中国の大都市に外国人観光客が戻る、どんなシグナルか―中国メディア

15日、新京報は、中国の大都市に外国人観光客の姿が戻りつつあると報じた。写真は北京の紫禁城。

2024年5月15日、中国メディアの新京報は、中国の大都市に外国人観光客の姿が戻りつつあると報じた。

記事によると、首都北京市では近ごろ外国人観光客が徐々に増えており、この現象は「一線都市(大都市)の魅力が旅行コストの高さによって減衰したわけではない」というシグナルであり、同市に新たな経済活力をもたらすだけでなく、同市の文化・観光産業の回復力と潜在力を証明するものだという。

記事は、昨今中国経済の成長鈍化に対する疑問に端を発したいわゆる「中国から外国人が逃げていく」という議論が注目を集めているとする一方で「中国の出入国者の数はこのような懸念に逆行している」と指摘。国家出入国管理局のデータでは、今年1〜3月の外国人入国者数は前年同期比4倍以上の1307万4000人に達したほか、北京市の同時期におけるインバウンド外国人観光客数も37万5000人と新型コロナ前に当たる2019年の同時期の64.6%まで回復してきたことを紹介した。

さらに、外国人観光客が戻ってくる流れは北京市にとどまらず、1〜4月に上海経由で入国した外国人数も前年同時期の4倍近い129万2000人超となったことを紹介するとともに、決済プラットフォームのデータからは北京、上海、広州、深セン、杭州といった主要都市がインバウンド客の間で人気になっていることがうかがえると伝えた。

その上で、新型コロナがが沈静化した現在、外国人観光客が北京をはじめとする一線都市に戻ってきたことは、単にインバウンド観光の回復を示すだけではないと指摘。「複雑で不安定な世界経済を背景に、外国人観光客を誘致し続けることができたという事実は、中国経済の強い回復力を証明するだけでなく、国際社会が中国の将来の発展に楽観的な期待を寄せていることを示しているのだ」と評した。

また、中国の対外開放、文化的自信、国際的イメージの向上を鮮明に映し出す現象でもあるとし、改革開放がさらに深まることで一線都市をはじめとする中国の都市がますます独自の魅力を発揮し続けられるだろうと論じている。(翻訳・編集/川尻)

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