熊本市西区の都市計画道路、横断歩道に信号設置 市が方針 安全不安視する住民の声受け

 熊本市の大西一史市長は14日の定例記者会見で同市西区で4月19日に開通した都市計画道路の横断歩道1カ所に、安全対策として押しボタン式の歩行者用信号機を設置する方針を示した。熊本県警と近く協議を始める。開通後、横断歩道に歩行者がいても車が止まらない事例が多発し、安全を不安視する声が上がっていた。

 信号機の設置を検討するのは、池田町花園線にある横断歩道。大西市長は熊本日日新聞が住民の声を報じたことを受け、11日に現地を視察し、設置の方針を決めた。市長は会見で「地域住民の声を丁寧に聞き、安全性や利便性確保に向け、より使いやすい道路になるよう取り組む。できるだけ早く設置したい」と語った。

 市道路整備課によると、県警と交通量や横断歩道の利用状況などの情報を共有し、設置に向けた協議を進める。市は開通後、車の運転手が横断歩道を認識しやすいようカラー舗装したり、歩行者が車道を渡らないよう啓発する看板を取り付けたりする対策を施している。

 4月に開通した都市計画道路は、島崎方面と上熊本方面を結ぶ延長2・1キロの一部で、池田町花園線のほか花園上熊本線、野口島崎線。道路の拡幅で交通量が増加しているが、横断歩道が少ないため、住民が横断歩道のない道路を徒歩や自転車で横断するなど危険な状態が続いている。(上村彩綾)

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