原爆死没者名簿に「風通し」 3322人増え、19万5704人分 追悼平和祈念館 長崎

市職員が一人一人に思いをはせ、ページをめくる「風通し」=長崎市、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館

 長崎市は17日、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館(同市平野町)に納められている原爆死没者名簿200冊に外気を当てる「風通し」をした。名簿は昨年から3322人(3冊分)増え、19万5704人の名前が記されている。
 名簿の湿気を取り除き、傷みの有無を確認するため例年この時期に実施。市は1968年から名簿作成を始め、昨年7月末までに亡くなった被爆者らの名前や死亡年月日、享年を記載。名前が分からない犠牲者のため、1冊は白紙としている。
 担当の市職員11人は午前11時2分に黙とう。死没者一人一人に思いをはせ、同館交流ラウンジに並べた名簿を1冊ずつ丁寧にめくった。被爆3世で、市原爆被爆対策部援護課職員の山本李緒さん(23)は「これだけ多くの被爆者が亡くなったということが実感できた。全ての名前にきちんと風が通るように作業した」と話した。
 昨年8月以降の死没者の記帳は今年6月から始め、8月の市平和祈念式典で奉安する。

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