長崎市の新文化施設 計画の一部見直しを提案 市、物価高騰などで縮小

 長崎市は16日の市文化振興審議会(堀内伊吹会長)の会合で、市庁舎跡地(桜町)に整備する新たな文化施設の一部計画見直しを提案した。ロビーや練習室などを縮小・削減する内容。物価高騰など「社会状況の変化」が理由としている。
 見直し案は▽入り口付近の「エントランスロビー」と観客らが過ごす「ホワイエ」の空間を統合▽リハーサル室の面積削減▽練習室を設置しない-など。近年の他都市の整備事例などを踏まえた。
 同施設の建設計画を巡っては、審議会が4年前から基本計画の内容を議論し、昨春に市が計画を公表。建設費は66億~69億円と想定されたが、資材費や人件費の高騰が続き、さらなる上昇が見込まれる。市は財政負担軽減のため官民連携で市庁舎跡地を開発し、地域活性化につながる機能も文化施設に加える考えだ。
 計画の一部見直しで、全体の面積や整備費の抑制につながる可能性もあるが、音楽や演劇など芸術文化関係の委員からは「削減ありきで、本来の文化振興やにぎわい創出の視点が欠けている」「(今後連携する)民間企業も活用しやすい施設を考える必要がある」といった反発や指摘も相次いだ。次回も議論を続ける。

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